つぶらな瞳と前足で物を洗うような仕草−。1970年代に放送されたテレビアニメ「あらいぐまラスカル」が人気を集めたこともあり、愛くるしい印象が強いアライグマに、熊本県内の農家や自治体が頭を悩ませている。実は、農作物に被害をもたらす特定外来生物の一種。九州北部の各県では被害が深刻化し、生息確認数が少なかった県内でも近年急増している。担当者は「被害が少ないうちに増殖を防ぎたい」としている。
アライグマはもともと北米大陸に生息し、国内にはアニメの影響でペット用に輸入され始めた。県自然保護課によると、イメージと裏腹に実際は気性が激しく飼育が難しいため、一部が捨てられて野生化したという。夜行性の雑食で繁殖力が高い。甘いものを好み、県内では特産のスイカやメロンの果肉部分だけ食べられる農作物被害が出ているという。
福岡、大分、長崎各県では先行して増殖が進んでいる。各県によると、近年の捕獲数はそれぞれ300〜1200件に上り、山里から離れた住宅街でも目撃情報が続出しているという。
「生息域が相当広がっている可能性」
県内初確認は2010年に熊本市南区城南町で。以降、12年まで南区と御船町だけに生息確認はとどまっていたが、今年11月末時点で山鹿市や荒尾市、高森町など福岡、大分両県境の自治体を中心に10市町に拡大した。生息確認数も16年は4件、17年は5件と増加傾向にある。県境から離れた宇城市でも今年2頭見つかった。担当者は「生息域が相当広がっている可能性がある」と危機感を強める。
県では過去に特定外来生物の繁殖を抑えた経験がある。10年に宇土半島で捕獲数が3千匹を超えたクリハラリスを地元と連携してわなをしかけるなどして、16年に30匹台まで減らした。アライグマ対策として、県は箱わなや監視用カメラを設ける市町村への補助事業を実施。熊本市は本年度から生息地域を確認する自動カメラを設置したり、住民向けの講習会を実施したりして防除体制の強化を急いでいる。
Posted by jun at 2017年12月18日 13:37 in 外来生物問題