琵琶湖のアユ漁が昨季、記録的不漁だった原因について滋賀県は14日、調査結果を明らかにした。産卵数は平年より多かったが、ふ化が一時期に集中したため餌が不足、生育が遅れて群れを形成しにくかったことや、夏場に川の水温が高く産卵が遅れたことが重なった複合的な要因で生じたとした。
琵琶湖のアユは8月下旬から11月にかけ、河川の河口付近で産卵する。昨年確認できた産卵数は214億粒で、例年(122億粒)の約1・8倍あったが、うち約7割の産卵が10月上旬に集中しており、同時期生まれの魚群に2月以降、発育不良が確認された。1匹あたりの餌が不足する現象が起きたと県はみており、定置網にかからず漁師の網をすり抜けるケースが多かったとみる。アユの餌となるプランクトンの量に異常はなかった。県水産課は「産卵の多さが逆効果になったかもしれない」としている。
また、昨年はアユ漁解禁の12月に取れる9月生まれは全体の2%しかおらず、早期の不漁につながった。夏場の少雨で川の水が減り、産卵に適した水温(23度以下)まで下がる時期が遅れたためとみられる。9月下旬の台風で水量が増え、10月上旬への産卵の集中を招いたと県は分析する。
県議会環境・農水常任委員会で示した。県は今季のアユの追跡調査を行い、絞り込んだ原因が正しいか検証を進める。昨季のアユ漁獲量は平年の3分の1程度と推定している。
■今季の漁獲量は平年の5割
今季のアユ漁は、解禁された5日から12日の漁獲量が9・2トンで昨季の約2・5倍になったが、近年の平均(18トン)と比べると約5割にとどまる。滋賀県漁業協同組合連合会は、稚魚の氷魚(ひうお)を養殖する業者からの注文量22トンに「何とか年内に到達したい」としている。天然アユの産卵量が例年の2%しかなく春以降の漁に温存するため、最近ではなかった来年1月の操業自粛を決めた。食用にする氷魚の漁も行わないという。