世界自然遺産の小笠原(東京都)で、土壌を作る陸生甲殻類が急減したのは外来種のヒモムシが原因だったと、東北大や日本森林技術協会などの研究グループが英科学誌サイエンティフィック・リポーツに発表した。
小笠原にはミミズ類がいない代わりに陸生甲殻類のワラジムシ類やヨコエビ類が多く、落ち葉を分解して土壌を作っていた。これらの約8割が小笠原の固有種だ。しかし、1980年代から急減し、父島ではほぼ絶滅。母島でも減少したが、約30年にわたって理由がわかっていなかった。
ヒモムシは体長が1ミリ〜数メートルのひも形動物。多くの種は海に生息するが、陸にいる種もある。グループは、80年代に父島に侵入した外来のヒモムシが陸生甲殻類を捕食することを実験で確認。ヒモムシがいる地域では陸生甲殻類がほとんどいなくなっていることを突き止めた。侵入前から小笠原にいるとみられていたオガサワラリクヒモムシという種は甲殻類を食べないため、外来ヒモムシがこの種と混同され、被害に気づくのが遅れたとみられる。
グループの東北大大学院1年の篠部将太朗さんは「小笠原の土壌は危機的で、生態系にも大きな影響を与えている。外来ヒモムシの拡散防止対策が必要だ」と話している。【酒造唯】
Posted by jun at 2017年10月11日 11:51 in 外来生物問題