印旛沼周辺(佐倉、印西両市など)で増え続けている特定外来生物「カミツキガメ」の本格的な駆除に乗り出している県は、初めてとなる「基本戦略」をまとめた。今後3年間を戦略集中実施期と定め、毎年度の捕獲目標数を2500頭以上に設定。平成28年度の捕獲実績(1460頭)の約2倍となるが、県生物多様性センターの担当者は「これぐらいのペースでないと根絶しない。体制を整えているので不可能な数字ではない」と意気込んでいる。
◆生態系の影響懸念
カミツキガメは北米から中南米原産。在来生物を捕食するため生態系への影響が懸念され、人がかまれて大けがをする恐れもある。外来生物法では特定外来生物の飼育・保管・運搬などが原則禁止されている。
県内では昭和53年に佐倉市の高崎川で初めて確認され、1990年代後半から目撃、発見数が増加した。県が平成28年3月に公表した調査結果では、印旛沼周辺の成熟個体の推定生息数(27年度)は約3千〜約4万1千頭とされ、この幅の中で最も確率が高い「中央値」は約1万6千頭だった。この中央値をもとに算定すると、個体数を減少させるためには年1250頭以上の雌を捕獲する必要があるという。
県は、こうした調査結果や専門家らの意見などを踏まえて基本戦略をまとめ、31年度までの3年間は毎年度2500頭以上(うち雌は1250頭以上)の捕獲を目指す方針を明示した。今年度は小型のわなによる捕獲方法の改良や定置網による捕獲試験、越冬期に手探りによる捕獲を行うほか、小型発信器をカミツキガメに装着して行動調査を行うという。
また、印旛沼の流域を11地域に分けた上で、さらに生息状況に応じて「高密度区」「中密度区」「低密度区」「捕獲ゼロ区」「モニタリング区」の5つに分類。高密度区内で生息数の多い4つの地域を「徹底的排除区」とし、あらゆる捕獲方法を実施・試行しながら根絶を実現のための方法を確立する。戦略は3年間に渡って集中的に実施された後、成果を検証して必要に応じて見直していく予定だ。
◆わな20基設置
24日には今年度最初のカミツキガメ捕獲事業を印西市師戸の排水路で実施し、県職員らがわな20基を設置した。翌25日に回収した際にはクサガメ7頭がかかっていたが、カミツキガメは捕獲できなかった。水温が低かったため、カミツキガメの活動が活発的でなかったことが原因とみられる。同センターの担当者は「戦略を着実に進め、印旛沼流域の自然環境を改善していきたい」としている。
Posted by jun at 2017年05月09日 11:58 in 外来生物問題