2016年12月16日

津波後の海、生態系回復 京大グループ、気仙沼で初調査

 東日本大震災で津波が発生してから5年間に、宮城県気仙沼市の舞根(もうね)湾周辺に生息する海の生物が生態系を回復していく過程を、京都大舞鶴水産実験所の益田玲爾准教授らが明らかにした。津波後の海中での詳細な生態調査は初めてといい、種類数や個体数が比較的早く回復することが分かった。米科学誌プロスワンに13日、発表する。

 津波の直後、土砂の堆積や石油流出で発生した沿岸火災のため、舞根湾の環境は著しく悪化した。グループは、回復過程を記録するため、2011年5月〜16年3月、2カ月ごとに潜水して調査した。湾の奥や入り口など4カ所で実施。海底から1メートルの海中を各1千平方メートルずつ調べた。
 湾全体の平均では、12年以降、魚の種類数は4〜5種と11年の約2倍に回復した。ただ種類には偏りがあり12、13年には、これまで観察記録のなかった熱帯性の魚が見つかった。アイナメなど北方系の大型捕食魚が出現した14年以降はいなくなった。全体の個体数は11年から12年にかけて若干増加したが、以降は変化がなかった。
 湾全体として回復が続いた一方、湾の奥では種類数や個体数の増加は確認できなかった。陸上からの土砂が堆積して、魚などのすみかや餌になる海藻が育っていないことが原因という。
 益田准教授は「海洋資源の適切な管理法の提案にもつなげたい」としている。

+Yahoo!ニュース-IT・科学-京都新聞

Posted by jun at 2016年12月16日 11:49 in 魚&水棲生物, 自然環境関連

mark-aa.jpg