福岡市は、市内全域で特定外来生物の毒グモ「セアカゴケグモ」の調査、駆除を通年で実施している。特に寒さで動きが鈍くなり始める時季を狙い、11月を強化月間として4年目となる。年間駆除数は3年前から減少しており、市は「一定の効果を上げている」と自信をみせる。それでも油断はできない。かまれた場合に国内では死亡例はないが、発熱や吐き気、頭痛の症状が出る場合もあるという。駆除作戦に同行し、市内のセアカゴケグモの現状を探った。
今月11日、東区のアイランドシティ。2007年に市内で初めてセアカゴケグモが発見された地域だ。市職員たちは腰をかがめながら、側溝のふたの裏側やブロック塀の出っ張りの下部を注意深く見て回った。「雨風がしのげて、餌になる虫が通りそうな所に巣を張るんですよ」
早速、直径数センチの巣を発見。網状ではなく、ブロック塀の角の内側に張り付くようにくるまった形だ。職員が巣全体に殺虫剤をかけ、巣をピンセットで開けると、背中に赤い模様が入った雌が、100個ほどの卵が入った卵のうを抱えていた。そこに再び殺虫剤を噴射。ピンセットでつまみ出し、ポリ袋へ回収。念のため、足で数回踏み付けて駆除は完了。この日は、市職員15人が約2時間かけて、計115匹、卵のう57個を駆除した。
80代女性がかまれ、重い症状に
セアカゴケグモは、雌の成虫で胴の長さが約1センチ、足の長さも含めると4センチほどの大きさ。背中と腹に赤い模様があるのが特徴だ。これに対して雄は茶色で、胴が3ミリ程度と小さい。大きい雌の方が危険という。
市生活衛生課によると、本来は熱帯、亜熱帯性のクモで、毒は持っているが攻撃性はない。ただ、かまれると針で刺したような痛みがあり、皮膚が赤くなる。
市内ではアイランドシティで初めて見つかったセアカゴケグモだが、市が定期的な調査、駆除を始めたのは、12年9月に東区の80代女性がかまれ、重い症状となったのがきっかけ。これまでの調査で、南区を除く全ての区で生息が確認されている。家の窓枠やエアコンの室外機の下など比較的日当たりが良い場所に生息。屋外に置いたままの履物にいたこともあるという。
「冬場に家の周囲を点検して」
年間の駆除数は、13年は2万匹、14年は1万匹、昨年は6千匹だった。駆除数減少は、市内での生息数が減っているためとみられるが、繁殖力が強いため、市は駆除作戦を当面は継続する方針。
さらに「生息域の拡大防止には市民の協力が不可欠」として、駆除の方法を学べる出前講座の開催を各地域に呼び掛けている。同課の担当者は「卵のうの駆除が重要で、冬場に家の周囲を点検してほしい。市の駆除だけでは太刀打ちできず、市民の皆さんにも協力してほしい」と話す。
また、かまれた際の処置は「まずは水で洗い、病院に行ってほしい。かまれたクモを持っていくと医師が診断しやすい」とアドバイスしている。市生活衛生課=092(711)4273。
Posted by jun at 2016年11月28日 13:03 in 外来生物問題