新潟県弥彦村で、輸入や飼育が禁止されている特定外来生物のカミツキガメが1年余で相次いで6匹見つかり、なぞを呼んでいる。カミツキガメは強固なあごを持ち、人間の指を食いちぎるほどの力を持つ。繁殖力が高く、千葉県の印旛沼では野生下で大量自然繁殖が確認されているが、専門家の間では「新潟で冬を越すのは無理」とされていた。このため、誰かが捨てたとみて警察も捜査に乗り出したが、手がかりはない。村は「なぜうちの村なのか。手の打ちようがない」と困惑している。【真野敏幸】
県警によると、県内では2009年以降13匹のカミツキガメが発見されているが、このうち7匹が同村で見つかった。県警では、カミツキガメが見つかった場合、危険なため、警察が引き取り、飼い主が分からない場合は環境省に引き渡している。原則、殺処分されている。
同村では昨年5月から立て続けに4匹見つかったため、県警は何者かが捨てた外来生物法違反などの疑いもあるとみて捜査。調べによると、県内で許可を受けて飼育されているのは2匹で、いずれも飼い主の元で飼われていた。見つかったカミツキガメにはいずれも飼い主の身元を示すチップが埋め込まれていなかった。
一方、村はカミツキガメが見つかった用水路の近くに注意を促す看板を設置するとともにパトロールを実施。地元小学校などにも文書を配布し、見つけても触らないよう要請した。今のところ、けが人はいないが、今年1月には相次いで、田んぼ脇の用水路の泥の中から、冬眠中とみられるカミツキガメ2匹が見つかった。
こうした事態に、自然繁殖の可能性を指摘する声も上がっている。だが、県は「カミツキガメは犬や猫などと違って保健所で収容義務のある動物ではない。村が環境省と相談すべき問題」としている。一方の環境省関東地方環境事務所の担当者は「卵や子どもが見つかっていない以上遺棄された可能性が高く、現段階では調査の予定もない」。
カメを研究している「日本カメ自然誌研究会」代表の矢部隆・愛知学泉大教授(51)は「カミツキガメは順応性が高く繁殖力が旺盛。遺棄されたにしてもこれだけ大量に見つかるのであれば、関係機関が早急にわなを仕掛けるなどして調査すべきだ」と話している。
◆カミツキガメ 北米〜南米北部原産。体長は約50センチ。ペットとして輸入されていたが、2005年に外来生物が日本に上陸して生態系に影響を及ぼすことを防ぐ「外来生物法」で特定外来生物に指定され、これ以降、原則として輸入、飼育、販売などが禁止されている。同法施行前から飼っている場合でも、飼育には環境相の許可が必要で、カメにマイクロチップを埋め込み、飼い主を把握できるようにしている。違反した場合、個人は3年以下の懲役、または300万円以下の罰金。数十年生きることもあり、飼い主に捨てられたカミツキガメが全国各地で見つかっている。
◆弥彦村で見つかったカミツキガメ◆
発見日 発見地点 体長
(1)2012年4月23日 用水路 約20センチ
(2) 14年5月5日 用水路 約20センチ
(3) 6月17日 用水路 約20センチ
(4) 7月6日 用水路 約30センチ
(5) 7月12日 路上 約50センチ
(6) 15年1月8日 用水路(泥中) 約40センチ
(7) 1月14日 用水路(泥中) 約30センチ
Posted by jun at 2015年04月05日 10:27 in 外来生物問題