自然保護に取り組む市民団体などでつくる「なごや生物多様性保全活動協議会」が七月に行った名古屋市内の一斉水辺調査で、市内のため池や河川の半数が、外来種のアメリカザリガニによって生態系が脅かされていることが分かった。他の半数の地点は在来種のスジエビが多く、水辺の環境の二極化傾向が鮮明になった。
調査は七月十九〜二十一日、ため池と河川の計二十カ所で実施。家族連れら四百六十人が参加し、仕掛けたわなで捕らえた甲殻類の種類や数を調べた。
調査結果によると、見つかった甲殻類のうち、アメリカザリガニが多数だったのが、昭和区の隼人池や名東区の猪高緑地など八カ所。うち六カ所では、ほぼ全てを占めており、体長一〇センチほどの大型も多かった。
在来種が多数だったのは、天白区の荒池や西区の庄内緑地など九カ所。うち七カ所はスジエビがほとんどを占め、瑞穂区の山崎川ではスジエビと、やはり在来種のテナガエビが半々、熱田区の宮の渡し公園にある堀川では、在来種のタカノケフサイソガニのみが見つかった。
名城公園など三カ所では甲殻類は見つからなかった。アメリカザリガニとスジエビが共存していたのは、緑区の大高緑地と港区の戸田川緑地だけだった。
アメリカザリガニが確認された地点の多くが、ザリガニを食べるコイやオオクチバスなど捕食者がいなかったことが共通していた。
さらに、ここ数年の間に外来種駆除などのため水をすべて抜く「池干し」を実施した池が多く、泥の中で生き抜いたアメリカザリガニが、捕食者がいなくなったのを契機に、皮肉にも勢力を拡大した可能性がある。調査結果をまとめる「なごや生物多様性センター」(天白区)が関係を調べている。
センターの生物多様性市民協働推進員の寺本匡寛さんは「それぞれの水辺の環境に合わせて、すんでいる甲殻類の種の違いがくっきり分かれた。アメリカザリガニ以外にもさまざまな外来生物が発見されており、多くの外来生物が定着している結果も得られた」と話している。(中尾吟)
Posted by jun at 2014年11月25日 12:25 in 外来生物問題