廃品などで作った「人工産卵装置」を活用して特定外来生物のブラックバス(オオクチバス)を駆除する試みが、鏡野町の苫田ダムで効果をあげている。駆除が成功して生息数減につながったダム湖は全国でまれだといい、国土交通省中国地方整備局は「先駆的な駆除方法が奏功し、生息数抑制に展望が開けた」と胸を張っている。
苫田ダム上流に位置する同ダム湖(奥津湖)のブラックバスは、完成直後の平成17年に初めて確認された。在来種を捕食して生態系に悪影響を及ぼすとして、琵琶湖など全国的の湖沼や河川で駆除が行われているが、抜本的な解決は困難とされる。
調査した同整備局は、産卵に適した砂地が少ない人工湖ならではの地形に着目。駆除のため、人工の産卵床を製作することを思いついた。ホームセンターなどで販売している人工芝(縦60センチ、横45センチで約300円)を「床」とし、金属網(同約100円)の「おもり」を組み合わせたうえで、水中に浮かせる「浮き」として廃品のペットボトルを使用する“省エネ装置”を21年から導入した。
バスが産卵する春先を見計らって設置し、卵が確認できたら廃棄。孵化(ふか)を阻止することで、個体数を減らす試みだ。在来魚へのダメージもないため、全国の自然保護団体などが利用している手法だが、実際に効果を上げた湖はまれだった。
今シーズンは約3・3平方キロのダム湖に約40個を仕掛け、5〜6月に駆除作業を行った。その結果、ピーク時(23年)には目視で約800尾だった個体数が約100尾まで激減していたことが判明。同整備局苫田ダム管理所は「増やさずに生息数を抑制する低密度管理という手法がうまく働いた」と話している。
ブラックバスはルアー釣りのため、輸入・放流されて全国で増殖。日本固有種の稚魚をエサとするなど生態系を乱す存在として駆除が急務とされており、同湖での成功例は注目を集めそうだ。
Posted by jun at 2014年08月06日 18:43 in ブラックバス問題