2013年12月18日

河北潟のシンボル危機 野鳥チュウヒ

 河北潟のシンボルである国指定絶滅危惧1B類の野鳥「チュウヒ」が、同潟から姿を消そうとしている。39年前に本州で初めて繁殖が確認されて以来、国内屈指の繁殖地だったが、近年は巣作りに必要な水辺のヨシが減り、生息数は約30年前の100羽から、十数羽に激減した。チュウヒが餌とするネズミが増える恐れもあり、専門家は生態系バランスが崩れる可能性を指摘している。

 タカの仲間であるチュウヒは成鳥の全長が約50センチで、河北潟干拓地では1974年に本州で初めて繁殖が確認された。79年にはひな鳥を含めて約100羽が生息していたが、干拓地への入植が進んだ80年代以降は、潟の湖畔に繁殖地を移し、生息数は減少の一途をたどっていた。3年前には一度、ひなの誕生が確認できない事態となった。

 NPO法人「河北潟湖沼研究所」はチュウヒが減少した理由として、水辺のヨシが減少したことを挙げる。湖畔の地盤沈下や、河川の浚渫(しゅんせつ)工事で河北潟に流れ込む土砂が減り、ヨシの生育に適した浅瀬が少なくなって、巣作りのできる群生地も減少したという。

 同研究所によると、河北潟を訪れる一部のレジャー客もチュウヒの生活を脅かしている。近年は釣りやレジャーボートの利用者が増え、知らずに巣の近くを訪れてしまい、警戒心の強いチュウヒが繁殖を断念するケースも増えた。

 40年にわたり河北潟で野鳥の観察を続ける日本鳥類標識協会員の中川富男さん(63)=かほく市高松=は、ヨシの減少により、チュウヒだけでなく、オオヨシキリやヨシゴイなど、かつては簡単に観察できた野鳥も姿を消しているという。

 チュウヒが増えると、外敵のいないネズミが増え、作物が荒らされる可能性もあるとしている。

 同研究所では、河北潟のヨシ再生に向けて、試験的に浅瀬を整備するなど対策に取り組んでいる。中川さんは「チュウヒは河北潟のシンボル。ほかの鳥も含め、保護に向けてヨシの再生が必要だ」としている。

+Yahoo!ニュース-石川-北國新聞社

Posted by jun at 2013年12月18日 13:44 in 魚&水棲生物, 自然環境関連

mark-aa.jpg