2013年12月17日

「ほぼ絶滅」キブネダイオウ復活に光 京大教授が種子保存

 京都府立植物園(京都市左京区)が、同区鞍馬の貴船川流域に自生する希少種「キブネダイオウ」の復活を目指し、園内での栽培に力を注いでいる。純系の個体はほぼ絶滅したとみられていたが、瀬戸口教授(植物系統分類学)が種子を保存しており保全の道が開けた。現在苗100株が育っており、自生地への植え戻しを目指す。

■貴船川流域に自生、「純系」確認できず
 キブネダイオウは昭和初期、貴船川流域で実施した護岸工事などで個体数が激減。形のよく似た外来種「エゾノギシギシ」の侵入で交雑化が進んだ。近年深刻化するシカの食害もあり、瀬戸口教授は「自生する純系はほぼ確認できていない」と話す。
 日本植物分類学会が1993年には「貴船川では絶滅した」と報告したが、2000年に瀬戸口教授が鞍馬に野外実習に出かけた際、同行した学生が偶然見つけた。住民の協力を得て、生育環境の研究や増殖に取り組んできた。
 05年に約250株を自生地に植え戻した。交雑化を阻むために周辺の外来種を除去したのが奏功し、3年ほど順調に育っていたが、シカの食害に遭った。
 関係者の間に落胆が広がった。だが、12年末に、瀬戸口教授が研究室にダンボール1箱分の純系の種子が残っていたのを見つけた。
■府立植物園が栽培、植え戻しへ
 種子の提供を受けた府立植物園が育て始めた。再度の植え戻しを目指し、500株を目標に増殖を進めている。鞍馬での植栽場所には、食害防止にシカが立ち寄りにくい川床周辺や石積み付近を検討している。瀬戸口教授は「人の経済活動で姿を消した植物だが、逆転の発想で、人が築いたもののそばで育て守っていきたい。自生する環境を整えることは貴船の景観を守るという意味でも重要」と話す。

<キブネダイオウ> タデ科の多年草で、京都市左京区の貴船川流域のほか、岡山県にのみ生息する。「日本植物学の父」牧野富太郎が貴船川流域で発見し命名した。環境省のレッドリストは、近い将来の野生での絶滅の危険性が高い「絶滅危惧1B類」に指定する。

+Yahoo!ニュース-京都-京都新聞

Posted by jun at 2013年12月17日 12:38 in 外来生物問題

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