2013年03月20日

エビ500匹の大量死、湖水の変色現象…琵琶湖底で「異変」次々発見 新型ロボで実態解明へ

 日本一の規模を誇りながら、これまで本格的な調査が行われず「謎」が多いとされる琵琶湖の湖底。その実態解明に向けて滋賀県琵琶湖環境科学研究センター(大津市)が新型の水中探索ロボットを導入し、次々と「異変」を発見している。昨秋には琵琶湖固有種であるヨコエビの大量死や湖底の変色現象を発見。湖の全容解明に向け、新型ロボの活躍に期待が高まっている。

 ■新型ロボはすぐれもの

 琵琶湖の面積は670平方キロ。深さは平均約40メートル、最深部では104メートルあり、湖底についてはこれまであまり調査が手がけられていなかった。このため謎が多く、「水とガスの吹き出しのポイントがある」とされたり、近年になり水没した集落跡とみられる石群が確認されたりした。水深数メートルの浅いところでは、湖底遺跡の存在が約100カ所知られている。

 こうした謎を解明しようと、同センターが導入した新型ロボは、水中でのハイビジョン撮影が可能なほか、ケーブルを通して船上から水中の様子をリアルタイムで観察できるすぐれものだ。

 センターは平成12年に初めて水中探索ロボット「淡探」を配備した。しかし、撮影画像が粗く録画しかできなかったことなどから、思うような成果が上がらず結局“お払い箱”に。そこで約660万円をかけてこの新型ロボを開発し、昨年3月に導入したところ、使い勝手が格段によく、調査の質が大幅に向上したという。

 新型ロボを使って調査に携わる石川可奈子主任研究員は「先代は自走式だったが、新型は船上で映像を見ながら操縦でき、湖底の状況を確認しやすくなった」と強調する。

 ■固有種のエビ大量死

 昨年9月に同県高島市沖の湖底で探査を行った際、琵琶湖固有のヨコエビの一種で、環境省の準絶滅危惧種に指定されているアナンデールヨコエビの死骸が1平方メートル当たり約500匹と大量に見つかった。

 センサーを使って水質を調べたところ、水深90メートル以上の湖底で夏から秋にかけて水中の酸素濃度が大幅に低下していたことも判明。湖底の酸素が減少したためヨコエビが大量死したとみられる。しかし、12月の調査では酸素濃度の回復が確認され、ロボによる撮影では生きたヨコエビの姿も確認された。 

 ■湖底の変色現象も

 一方で、湖底の一部が黒く変色する現象が起きていることも新型ロボの探索で分かった。水質に影響はない模様だが、泥から溶け出したマンガンが微生物を介して酸素と結びつき、茶褐色の粒子が生成されたとみられ一連のメカニズムがわかった。

 センターの山中直・環境監視部門長は「ヨコエビの大量死や湖底の黒色化とも、琵琶湖の環境変化の指標となる」と指摘する。今後は、より浅い水深70〜90メートルの水域での調査も進め、異変の早期発見によって琵琶湖の環境保護に結びつける考えだ。

+Yahoo!ニュース-科学-産経新聞

Posted by jun at 2013年03月20日 11:25 in 魚&水棲生物, 自然環境関連, 内水面行政関連

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