京都大総合博物館の中坊徹次教授や農学研究科大学院生の武藤望生さんらのグループは、約70年ぶりに山梨県の西湖で再発見されたクニマスと近縁種ヒメマスがほとんど交雑していないことを遺伝子レベルで確認、日本魚類学会英文誌で5日発表した。
クニマスは、かつて秋田県の田沢湖にのみ生息していた日本固有の淡水魚。1940年ごろに絶滅したと考えられていたが、卵が西湖に放流されており、2010年に中坊教授らが生存を確認した。
グループは、西湖で通年にわたって採集した144個体の遺伝子DNAを調べた。うちクニマスと判定できるのが71個体、ヒメマスは73個体だったが、交雑個体の可能性もあるクニマスは2個体のみで、交雑はほとんどないと結論づけた。
グループのフィールド科学教育研究センターの中山耕至助教は、産卵の時期と場所が違うためクニマスは遺伝的な独立を保っていると指摘し、「クニマスを守るためには、産卵場とみられる湧き水のある深い水域を守ることが重要だ」と話している。