2012年02月22日

潜水ロボ淡探 技術者引退へ 県予算未計上、琵琶湖研究後退も

 滋賀県による琵琶湖底の研究で活躍してきた潜水ロボット「淡探(たんたん)」の今後の活用が暗礁に乗り上げている。湖底を観測できる世界唯一の自律型潜水ロボットを開発から運用まで中心的に担ってきた県職員が本年度末で定年退職するが、技術を継承する体制が整っていないためだ。外部からは「琵琶湖研究が後退するのでは」と不安視する声が出ている。

 最深部100メートル以上に及ぶ湖底は状況把握が難しい。県が2000年に2億6千万円で建造した「淡探」は内蔵コンピューターに調査地点を入力すると、障害物をよけながら湖底の1メートル上を航行。水中顕微鏡やビデオカメラで映像をとらえ、湖底環境を監視する。
 1993年に導入されたケーブル付の水中探査ロボに比べて調査可能な範囲が広く、琵琶湖固有種の魚「イサザ」の大量死を発見したり、メタンガス噴出の撮影に世界で初めて成功。温暖化による湖底の低酸素化などに警鐘を鳴らしてきた。
 県は財政難のため「淡探」の関係予算を08年度から計上していない。さらに県琵琶湖環境科学研究センターの熊谷道夫環境情報統括員が3月で退職し、「淡探」を中心的に運用できる県職員がいなくなる。外部の大学研究者らとの共同利用は可能だが、同センターは「県の研究計画との整合性がとれない」とし、実現は不透明だ。
 県の予算が計上されなかった間、熊谷統括員は民間団体などからの助成を受けて運用してきた。近年の調査では、09年に初めて発見した、湖底から水やガスが噴き出す「ベント」の増加を観測。地殻変動の可能性も考えられ、東日本大震災が発生して防災意識が高まる中、熊谷統括員は「淡探の技術が途絶えるのはもったいない」と話す。
 「淡探」の運用に助成を続けているNPO法人「びわ湖トラスト」(大津市)の高木順事務局長(65)は「ベントは防災面で貴重なサインかもしれない。県には、淡探という資産を大学など外部と共同利用するといった柔軟な対応をしてほしい」と話す。

+Yahoo!ニュース-滋賀-京都新聞

Posted by jun at 2012年02月22日 13:58 in 自然環境関連, 内水面行政関連

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