農業環境技術研究所(つくば市観音台)は、外来植物のセイタカアワダチソウの生育を抑え、チガヤなどの在来植物を中心とした植生に回復させる技術を開発した。これまでセイタカアワダチソウの効果的な除草方法は見つかっておらず、空き地などの景観美化や花粉症対策などに役立つことが期待される。(篠崎理)
セイタカアワダチソウは北アメリカ原産。国内には明治30(1897)年に観賞用に導入された。繁殖力が強く在来植物を駆逐するため環境省の要注意外来生物に指定されているほか、花粉症の原因にもなるため対策が求められている。
だが、刈り取ってもすぐに再生することや除草剤で枯らしても別のセイタカアワダチソウが生えてくることから、これまで効果的な除草方法はなかった。
同研究所では、土壌酸性が強くリン酸やカルシウムなど植物の栄養が少ない土地ではセイタカアワダチソウが育ちにくく、逆にチガヤやススキなど在来植物が育ちやすいことに着目。山口市の果樹園跡地を試験地として、生い茂ったセイタカアワダチソウを刈り取り、塩化アルミニウムの粉末を散布して土壌を酸性化する実験を行った。
粉末をまいた土地ではセイタカアワダチソウは約半年後にはほぼ消失し、その後もほとんど生えてこなかった。代わりにチガヤの群落ができるなど、在来植物を75種確認した。一方、粉末をまかなかった土地ではセイタカアワダチソウが再び旺盛に生育し、ほぼ元の姿に戻った。
費用は現在、1平方メートル当たり約1千円。規模が広がればさらに安価になるという。
平舘俊太郎上席研究員は、「ミミズや土壌微生物などに与える影響を調べるとともに、他の外来植物への効果も明らかにしたい」としている。
Posted by jun at 2012年01月25日 17:31 in 外来生物問題