◇「南湖が『牧草地』になれば」 乾燥炉設計技師・大塚さん、8年かけ技術考案
琵琶湖の“厄介者”で元気な卵を−−。乾燥炉設計技師でゼロム環境エンジニアリング代表の大塚正昭さん(69)=草津市=が、間伐材や廃材を燃料にして水草を乾燥、粉末化した養鶏飼料を作った。10月から販売を始め、養鶏農家らにじわりと広がりをみせている。【安部拓輝】
琵琶湖の水草は94年の大渇水を機に増えたといわれ、県によると約52平方キロある南湖の8割以上を占める。漁船のスクリューに絡まったり、台風で湖岸に大量に打ち寄せて悪臭を放つ。県などが年間約5000トンを回収し活用法を模索中だ。
間伐材や建築廃材のチップで熱するバイオマス乾燥炉を開発している大塚さんは、炉から出る150度の熱風で水草を乾燥させる方法を8年かけて考案。草津市内の漁港で水揚げされた水草を1トン500円で買い、ダンプカーで約45分かけて甲賀市の工場へ。かき混ぜて粉砕し、20キロ500円で売り出した。燃料に重油を使わず廃材を活用することで収益性を確保したという。
養鶏農家の反応は上々で、今年1月から試験的に使ってきた大津市の養鶏場「比良利助」の中村利男さん(67)は「目の前の琵琶湖でとれた餌だけに安心感がある」。守山市の平飼い農家、小田農園代表の小田貴彦さん(38)は「輸入飼料は値上がりする一方。昔のように地域で自給できる仕組みに戻していきたい」と語る。
大塚さんは「水草に覆われた南湖が広大な『牧草地』になれば。みんなが得する循環システムを作りたい」と話している。11月12日朝刊