県伊豆沼・内沼環境保全財団(栗原市)は15日、活動拠点の伊豆沼・内沼サンクチュアリセンターの開館20周年を記念し、「伊豆沼・内沼生物多様性シンポジウム」を同市内で開いた。ラムサール条約登録湿地の両沼の生物相を研究する山形大理学部の横山潤教授は基調講演で「両沼は生き物の普遍性と特殊性が交わる全国でも稀有な水域」と位置づけ、生き物環境保全への関心が高まることを期待した。
横山教授の演題は「伊豆沼・内沼の生物多様性」。両沼は日本在来のアサザやガガブタなどの浮葉植物やクロモなどの水中植物をそのまま残す「普遍性」に満ちた水域と説明。同時に宮城県を北限とする南方系のヒメシロアサザ(アサザの仲間)と北方系湿性植物のツルスゲや高地に自生するヤナギトラノオが同一地域で見られるなどの「特殊性」を併せ持つと指摘した。
さらに、横山教授は各地の水域ではこのような生物相はほとんど失われ、両沼でも減少しており、次世代につなぐ沼の再生の知恵と努力が必要と訴えた。
北海道の「宮島沼水鳥・湿地センター」の研究者、牛山克己さんは、ガンなど渡り鳥の中継地の宮島沼をはじめ道内12のラムサール条約湿地での活動をつなぐ「ラムサールネット」を設立し、外来種の分布拡大や湿地の乾燥化など共通する課題や脅威に対応していると紹介した。
また、県本吉響高の鈴木康教諭が「沼のハスの利用」▽環境農業団体「ナマズの学校」の三塚牧夫さんが「水田魚道とふゆみずたんぼの取り組み」を説明した。【小原博人】1月16日朝刊