2010年12月11日

八郎湖の釣り 主役が交代

 木枯らしが吹き出すころ、八郎湖の釣りの主役はコイからワカサギにバトンタッチされる。年間約300トンと、県内のワカサギの漁獲量のほとんどを占める八郎湖には、毎冬、多くの釣り客が訪れる。ワカサギといえば、湖面を覆う氷に穴を開けて釣る手法が有名だが、八郎潟町役場に聞くと、最近は冬を通じて氷が厚く張ることは少なくなったという。

 春から秋にかけては、コイ釣りが人気だ。
 秋田県八郎潟町観光協会が始めた全日本野鯉(の・ごい)釣り大会は今年、21回目を迎えた。9月中旬の土、日曜日、県内外から集まった参加者は175人に上った。午前4時に始まり、夜を挟んで29時間の制限時間内に、どれだけ大きいコイを釣るかを競う。
 優勝した五城目町の電気会社員、畠山徳義さん(62)の獲物は全長97・6センチ、重さ8・2キロだった。土曜日の夜10時ごろ、30分間の攻防の末、釣り上げた。「大物を釣るコツ? 粘り。絶対、場所を変えないことだな」
 大会記録は、5年前の107・6センチだ。湖畔の展示館「うたせ館」近くには昨年、御影石でつくったモニュメントが完成し、歴代優勝者の名前が刻まれている。
 なぜ、八郎湖のコイは大きいのか。「自然に恵まれていて、シジミやゴカイも食べている」と八郎潟鯉友会の浅野保夫会長(63)は言う。大きくなると、骨が硬く、身も少ない。釣っても後で逃がすことが多いのも原因のようだ。
 八郎湖増殖漁協の米澤初男組合長(79)は「八郎湖の魚は育ちが早い」と話す。湖底の泥には大昔からの栄養物質が積み重なっている。加えて鉄分がたっぷり含まれていることが、シジミの口の周りが赤くなることからも分かるという。
 だが、大きいことは良いことばかりではなさそうだ。
 八郎湖でワカサギを取っている桜庭兼重さん(68)は今期の漁が始まった9月、「40年で今年が一番悪い。話にならない」と嘆いていた。ワカサギの網にコイが侵入し、食い荒らしてしまうからだ。網を上げたら、コイが18匹入っていたことがあった。悪役の代表格、ブラックバスは駆除の効果か、だいぶ少なくなったが、代わりにコイが目立つようになったという。
 「コイを退治しないと、漁師は終わりだ」。漁協と県は毎春、卵の数で2億〜3億粒のワカサギを放流する。その成果も台無しにしかねない。
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 県内各地を記者がぶらりと訪ね、秋田の人や風物を取り上げます。(岡田昇)

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Posted by jun at 2010年12月11日 14:13 in 釣り関連業界

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