◇「駆除」→「食べる」で琵琶湖の生態系再生
県は来年、外来魚のリリース禁止などを巡って対立してきた財団法人日本釣振興会県支部と大規模な釣り大会を初めて開催する。駆除対象として焼却処分してきたブラックバスやブルーギルをおいしく食べる施策へと軌道修正し、外来魚をより効果的に減らす考えだ。料理人らも巻き込んだ実行委員会を年内に設立する方針で、両者は広く協力者を募っている。【安部拓輝】
◇2000人規模想定
釣り大会は来年6月と秋の2回、大津、草津、彦根、長浜などの湖岸を会場とする予定で、これまで駆除釣り大会を実施してきた民間団体とも連携し、2000人規模を想定している。参加を呼び掛ける親子には同会の会員らが釣り方を指導し、バスやギル料理を提案してきたレストラン、居酒屋の料理人や漁師らによる出店ブースを設けて調理方法を実演する。
県によると、03年度に施行した琵琶湖レジャー条例で外来魚のリリース禁止が盛り込まれた際、同会などから2万通を超える反対意見が殺到。県は同年から湖岸に「外来魚回収ボックス」を設置しているが、約18トンの年間回収量のうち大半を焼却処分しており、釣り人から「魚の命の扱い方として不適切だ」との批判も根強い。
両者が歩み寄りを見せたのは今年7月。同会が長浜市での湖底清掃を県と実施したのを機に、琵琶湖の生態系保全に向けた釣り大会の共催を県側に打診。同会の中川浩邦県支部長は「外来魚を『駆除』という言葉で悪者扱いせず、有効活用できる方法を提案したい」と話す。県琵琶湖レジャー対策室の青木幸一室長は「対立を超え、今後は琵琶湖を再生する施策を一緒に考えていきたい」として、漁協や自然保護団体などにも協力を求めていく意向だ。10月19日朝刊