豊田市の自然環境学習の拠点、市自然観察の森にあるため池・上池(うわいけ)(17ヘクタール)で、生態系を乱すとして規制されている特定外来生物のブラックバスが確認された。上池では生物多様性保全のために4年前、池の水を抜いてブラックバスや同じく特定外来生物のブルーギルを駆除し、最近ではメダカなどが復活し始めたところで、関係者はがっかりしている。
市によると、上池では06年8月に水を抜いてブラックバスやブルーギルを駆除した。その結果、モツゴ、メダカ、トウヨシノボリなどの在来魚が復活しつつある。
しかし、今年4月30日に池の排水口近くでブラックバスの成魚1匹(体長約25センチ)が目撃された。さらに6月、池や池と水路で接するトンボの生息地「トンボの湿地」で計約550匹の稚魚(体長3〜4センチ)が見つかり、駆除された。
市などによると、池では毎年、魚類生育調査を行っており、水抜き後は今春まで特定外来種は確認されていなかった。このため昨年11月〜今年3月に何者かが池に放ったとみられる。池での釣りは禁止されており、池の周囲にはブラックバスなどの放流禁止を知らせる看板もある。
市の委託で魚類調査を実施している谷口義則・名城大准教授は「以前、池にブラックバスが生息していた時はメダカをほとんど採取できなかった。去年の秋には1時間で約50匹取れ、復活したと喜んでいたのに。ショックだ」と話していた。市自然観察の森では今後、谷口准教授と協議し、実態調査や駆除方法を検討する。
外来生物法9条は、ブラックバスなど特定外来生物を放つこと、植えること、まくことを禁止している。【中島幸男】 7月3日朝刊