水草を食べる琵琶湖固有種の淡水魚ワタカを利用し、南湖で異常繁茂する水草を駆除する事業に滋賀県が乗り出す。航行障害などを起こす「自然の脅威」に「自然の力」で対抗する試みで、放流するワタカは環境学習の教材としても役立てる。
体長5センチまでに育ったワタカ約20万尾を、魚食性の外来魚の動きが鈍い3月に放す。4月以降、県民が放流に参加したり、ワタカが水草を食べる様子を見学するイベントを開く。新年度予算案に関連経費300万円を盛り込んだ。
県はワタカによる水草除去の研究を2002年度から西の湖(近江八幡市、安土町)などで実施。ワタカを放流しなかった場合と比べ、水草の繁殖をほぼ抑えられたという。
体重100グラムのワタカの場合、水草の成長が盛んな夏場には1日30グラムの水草を食べることも研究で分かった。放流したワタカが半数生き残ると仮定すると、年間300トンの水草駆除が見込める。貝を捕る漁具を使った水草の刈り取りに比べ、同じ量を10分の1の事業費で駆除できるという。
県水産課は「自然の力は大きく、効果を期待している。南湖の環境問題に関心を持ってもらう機会にもなってほしい」と話している。