琵琶湖博物館(滋賀県草津市下物町)に登録し研究活動を行う市民グループ「はしかけ」のメンバーたちが、長浜市の山門(やまかど)湿原で130種のケイ藻を確認し、昨年12月発行の日本珪藻(けいそう)学会誌に発表した。同館は「山門湿原の環境変化を考える上で貴重な資料になる」と評価している。
■「環境変化知る資料」
調査したのは、「はしかけ」でケイ藻の調査に取り組む「たんさいぼうの会」のメンバー約10人。2006年5月と11月に同湿原からミズゴケや泥を採取し調査した結果、寒地性のケイ藻7種を含む130種を確認した。うち7種は新種の可能性があるという。
ケイ藻は光合成をする単細胞生物で、10ミクロン〜100ミクロンほどの大きさ。世界では2万種以上確認されている。同館の大塚泰介主任学芸員(42)は「ケイ藻の分布からも、この湿原が寒地性の特徴を持っていることが裏付けられた」としている。論文を中心になって執筆した木原靖郎さん(73)=八幡市=は「今後も、琵琶湖周辺の湿原の調査に挑みたい」と話している。
山門湿原は福井県境に近い旧西浅井町北部の標高290メートルにあり、広さ約2万平方メートル。低緯度で標高が低いにもかかわらず、寒冷地に発達するミズゴケ湿原が広がっている。約2万9千年以上前から現在の湿原ができているといわれ、環境省の「日本の重要湿地500」に指定されている。
「はしかけ」は同館の研究に関心を持つ市民らが登録しており、現在はさまざまな分野に分かれ約360人が活動している。