【石垣】尖閣諸島魚釣島の生態系の調査を続ける富山大野生動物保全学研究室の横畑泰志准教授が21日、石垣市役所を訪れ、野生化したヤギが植物を食い荒らして固有の希少種全滅の危機にある状況を報告し、大浜長照石垣市長らに早急なヤギの捕獲と生態系把握の上陸調査の必要性を訴えた。大浜市長はことし3月、固定資産税の実地調査のため国に上陸許可を申請したが、認められずに断念したこともあり、「政権交代したのであらためて打診したい」と述べた。
魚釣島は面積約3・8平方キロの無人島でセンカクモグラやセンカクサワガニなど15の固有種が生息する。1970年に国連の海洋調査で大量の石油資源が確認され、日本と中国、台湾が領有権を主張している。
ヤギは78年に日本の民間政治団体が与那国から持ち込んだ。91年に海上の船から目視調査した結果、島の南側だけで300頭が確認され、現在は千頭を超す可能性もあるといわれる。11月に台北大学(台湾)で行われた日本哺乳類(ほにゅうるい)学会で報告した横畑准教授によると、80年には無植生地(裸地)が10%だったが、2000年の衛星画像を解析すると、30%近くに増えていた。そのうち15・43%は岩や崖で、13・59%はヤギの食害によって新たに裸地化したとみられる。さらに2000年以降に大きながけ崩れも確認されており、ヤギの食害が固有種にも悪影響を与えているという。
石垣市議会は昨年、「尖閣諸島のヤギ捕獲を求める要請決議」を可決、ことしは大浜市長が上陸調査の許可を国に求めたが、領有権問題などで実現していない。横畑准教授は「衛星画像だけでは分からないダメージもあり、上陸調査で確認する必要がある。固有種を守るにはヤギを捕獲するしかない」と強調した。