アオコの大量発生が深刻な中国・太湖(江蘇省、浙江省)の環境改善に向け、琵琶湖の経験を生かす共同研究に日中の研究者グループが乗り出す。太湖につながる内湖で進められているモデル実験に、滋賀県立琵琶湖博物館(草津市)の研究者らが参加し、有効なアオコ抑制技術の開発や湿地再生を目指す。
太湖の水質改善は、中国・武漢で11月2日に始まる第13回世界湖沼会議でも分科会のテーマに挙がるほど関心が高く、今回の国際協力は注目を集めそうだ。
共同研究は、日本側が琵琶湖博物館の大塚泰介主任学芸員(微生物学)ら5人、中国側は下水処理研究の第一人者で日本での研究経験もある河海大環境工程学院の朱偉副院長が参加する。
研究は、太湖北部にある内湖の五里湖で朱副院長が実施している国家プロジェクトのモデル実験に加わる形で行う。水質やアオコの量、生態系の状態などを調査し、アオコの抑制方法を見出す。併せて、湿地再生の可能性も探る。住民の水利用なども調べる。
グループは来春から現場調査や研究会をスタートさせる。日本の環境省が公募した来年度の日中共同研究事業への参加も申請した。
太湖は、周辺で急速に都市化と工業化が進み、中国で最も汚濁がひどい湖沼の一つとされる。中国出身の楊平・琵琶湖博物館学芸技師は「太湖の対策はこれからで、先に30年かけて水質改善に取り組んだ琵琶湖の経験は大きい」と話している。