和歌山県の田辺市は、2002年8月から農作物に被害を及ぼすアライグマの捕獲に取り組んでおり、旧市内の累積捕獲数が今年10月末で1000匹を超えた。捕獲場所はこれまで、農地がほとんどだったが、近年は市街地にも広がっている。アライグマの生態に詳しいふるさと自然公園センターの鈴木和男さんは「1000匹捕獲は農家の頑張りといえる。しかし、農地以外にも出没しており今後、生活環境への被害拡大が心配」と警戒している。
旧田辺市のアライグマ捕獲数には、外来生物法の防除対策捕獲と有害獣捕獲以外に交通事故、狩猟なども含まれており、10月末で1010匹となった。
地域的に見ると、中芳養(200匹)と新庄(199匹)が最も多い。50匹以上の捕獲は、三栖地域128匹、上芳養113匹、稲成88匹、万呂地域56匹、上秋津55匹となっている。ここ1、2年は明洋や天神崎、湊小泉、上の山、朝日ケ丘、湊本通りなどの市街地でも捕獲されるようになっている。
旧市以外の今年10月末までの累積捕獲数は、旧大塔村43匹、中辺路町46匹、龍神村17匹、本宮町2匹で、市全体で増加傾向にある。
一方、周辺自治体では、白浜町が今年から防除のためのわなの貸し出しを始め、4月以降ですでに68匹を捕獲している。農地、家屋に関係なく捕れているという。上富田町では2004年から捕獲を始め298匹を数える。みなべ町では10年ほど前からアライグマを捕獲しており、今年も10月末で74匹となっている。
県農業環境保全室によると、近年は紀北での被害が多くなり、伊都や那賀などでの捕獲が急増している。県全体の捕獲数は2008年度は1077匹で初めて1000匹を超えた。
田辺市農業振興課は「アライグマは田辺市全体に広がりだしている。捕獲には許可がいるので、見掛けたり、被害が出たりした場合は、市に連絡してほしい」と話している。