和歌山県白浜町は、特定外来生物のアライグマを捕獲する「町防除実施計画」を策定した。アライグマによる農作物被害の届け出が増えているため、捕獲に本腰を入れる。計画が3月に農林水産省と環境省の認定を受けたことで、狩猟免許などわなの資格がない人でも、町が実施する講習を受ければ資格取得者と同じように捕獲おりを設置することができる。町はおりを無料で貸し出しており、利用を呼び掛けている。
白浜町では、2000年に海岸部の日置地区で初めてアライグマが捕獲された。最近は白浜温泉街や山間部の川添地域でも目撃されたり、捕獲されたりしており、生息域が急速に広がっている。
町農林水産課によると捕獲数は06年度29匹、07年度26匹、08年度21匹。減少している要因として、有害鳥獣捕獲従事者の減少があり、被害の届け出は06年度の8件に対し07年度は10件、08年度は19件と急激に増えている。
同課では「金魚を食べられたとか、アライグマの親子が別荘地の空き家をねぐらにしているといった話も聞く。個体数が増えており、届け出されていない被害もかなりある」とみている。
防除計画では、11年3月末までを期間とし、農作物や生活環境面での被害が見られる区域で、おり(箱わな)の設置数を増やし、重点的に捕獲活動を展開する。
おりを扱うには通常、狩猟免許などの資格が必要だが、計画に基づいた町の講習を受ければ、本人の所有地(農地や宅地など)内に限り資格取得者と同じように設置できる。おりは19基あり、09年度にも数基購入する予定。
アライグマは北米、中南米原産。ペットとして輸入後、捨てるなどしたのが野生化し、農作物への被害が目立っている。天敵がおらず、繁殖力が強いため、日本固有の生態系を脅かす存在としても懸念されている。05年に外来生物法の特定外来生物に指定され、捕獲手続きが緩和された。
紀南地方ではみなべ町や田辺市が既に防除計画を策定し、捕獲活動を進めている。