2009年03月04日

霞ケ浦導水事業:那珂川取水口差し止め求め提訴 「豊かな資源引き継ぐ」/茨城

 ◇公共事業の必要性問う
 国土交通省が進める霞ケ浦導水事業の那珂川取水口(水戸市)の建設工事差し止めを求め、茨城・栃木両県の8漁協が3日、水戸地裁に提訴した。取水口を巡り、同地裁で係争中の仮処分申し立てが大詰めを迎える中での提訴について、漁協側は全国の漁業関係者に支援の輪が広がったことなどを理由に挙げ、裁判を通じて公共事業の必要性を問い直す姿勢を強調した。【秋田浩平、八田浩輔】

 申し立てには参加していない茨城町の大涸沼(おおひぬま)漁協も原告に加わった。同漁協は全国有数のシジミの産地である涸沼を主漁場とする。漁協側の安江祐弁護士は、提訴後の会見で「漁業権の補償を金でもらうのではなく、豊かな資源を子や孫に引き継ぐ一点で結集した」と提訴の意図を説明した。また、今後の訴訟の展開について、既に双方の主要な主張が出そろっている申し立ての争点を軸に進められるとの見通しを示した。
 取水口の生態系への影響を検討するため、漁協側が独自に設置した評価委員会で委員長を務めた東北大の川崎健名誉教授も会見に同席。「漁協は(補償)金よりも環境を優先して一致した。日本の環境保護運動が一つ上の段階にジャンプしたことで全国的な意味がある」と述べた。
 漁協側はこの日までに、10万4201人の署名を水戸地裁に提出。提訴前に行われた決起集会には組合員ら420人が参加し、水戸市内を練り歩き町行く人々に工事差し止めを呼びかけた。

 ■ことば
 ◇霞ケ浦導水事業
 水質浄化や用水確保を目的に霞ケ浦と那珂川、利根川を地下トンネル2本(総延長約46キロ)で結ぶ。1984年から建設を開始し、総事業費は約1900億円。取水量を減らすなど4回の計画変更を経て、2015年の完成を目指す。水を行き来させるための那珂川取水口(水戸市)からは、最大で毎秒15トンを取水する。取水口は昨年着工し、09年度中に工事が終わる予定だが、地元漁協の反対で河川内の工程に入れない状態が続いている。茨城・栃木両県の流域漁協は昨年3月に工事差し止めの仮処分を水戸地裁に申し立て、係争中。反対運動は全国の漁業者に波及し、全国内水面漁連は国に建設中止を求める議案を採択した。3月4日朝刊

+Yahoo!ニュース-茨城-毎日新聞

Posted by jun at 2009年03月04日 13:41 in 自然環境関連, 内水面行政関連

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