2009年02月11日

県:09年度当初予算案(その2止) 四つの重点施策に優先配分/滋賀

 ◇主な事業
 嘉田由紀子知事は、09年度予算案編成で、▽医療福祉・防災▽子育て・教育▽琵琶湖保全・脱温暖化対策▽産業育成――の4項目を重点施策に掲げ、予算を優先配分する方針を明らかにした。また、雇用対策にも取り組む。主な事業は次の通り。

 ◇医療福祉・防災
 ◆救急医療体制の確保と充実
 救急患者の確実な受け入れのため、診療所医師の協力で輪番制を続ける二次救急病院の運営費を補助。講習会を開き、症状の軽い人が救急医療を利用するいわゆる「コンビニ受診」を減らす。(1792万円)
 ◆福祉分野の人材確保
 人手不足が続く福祉サービス業の緊急雇用説明会を開催。現在働いている人の離職を防ぐため、相談員が職場を巡回したり、相談窓口を設置する。(400万円)
 ◆みずべみらい再生事業
 市街地近くの天井川など出水時に大きな被害が予想される河川で特に治水機能が低い場所の護岸補修や草木伐採を緊急実施する。(14億5820万円)
 ◆単独河川改良事業
 県の調査結果に基づく優先度が高い河川の堤防強化のため、現況調査などを実施。(1億4600万円)
 ◇子育て・教育
 ◆保育士確保の仕組みづくり
 約260人とされる県内の待機児童を解消するため、離職中の保育士を登録し、保育所に情報提供する。離職期間の長い保育士には研修を行う。(450万円)
 ◆中小企業の共同保育所設置モデル事業
 複数の中小企業が共同で従業員のための保育施設を設置・運営できるよう、運営や保育方法などを研究する。(100万円)
 ◆地域で子どもを育てる意識の向上
 地域で子育て支援に取り組む人を対象に、専門知識を深める学習会を開催。子育てに携わる地域の人たちの集まりである「子育て三方よしコミュニティ」の設置・運営を支援する。(695万円)
 ◇琵琶湖保全・脱温暖化対策
 ◆暮らしと琵琶湖の水環境関連調査
 食べ物や洗剤などが下水処理で分解される状況を調査し、生活排水の各成分が水環境に与える影響を調べる。(69万円)
 ◆外来水生植物駆除
 特定外来生物に指定されているミズヒマワリとナガエツルノゲイトウの琵琶湖での生息実態を調査。遮光シートを使うなどして駆除する。(800万円)
 ◆温暖化防止条例とロードマップ作成
 「県地球温暖化対策推進条例(仮称)」策定を検討。2030年の温室効果ガス排出量50%削減を目指し、低炭素社会実現に向けたロードマップを作る。(667万円)
 ◆カワウ対策
 将来的にカワウ生息数を4000羽程度に抑える計画に基づき、銃器などで来年度3万羽駆除を目標。(2610万円)
 ◇産業育成
 ◆滋賀エコ・エコノミープロジェクト
 経済界と共同で「しが炭素基金」を創設。企業が排出する温室効果ガスを、自然エネルギー事業などに資金提供することで相殺(オフセット)する「カーボンオフセット制度」を推進する。(300万円)
 ◆産学官連携の推進
 新技術・新事業の開発を目指し、産学官研究会の形成を促進。医工連携で医療福祉に役立つ機器や仕組みなどを考案する「医工連携ものづくりプロジェクト」を支援する。(3652万円)
 ◇雇用対策
 ◆雇用対策関連事業
 緊急対策職業訓練(3億1528万円)では、離職を余儀なくされた非正規労働者らに対する職業訓練(パソコン操作や簿記などの短期訓練など)の定員を前年度比3倍弱増の1255人に拡充。林業従事者の育成など林業労働力対策(1231万円)や母子家庭などへの就業支援(1393万円)なども。
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 ■視点
 ◇行政全体で歳出構造再考を
 「明」と「暗」がくっきり浮かび上がる予算案となった。
 まず「明」の部分。3回目の当初予算編成となった嘉田由紀子知事は財政難の中、ある程度独自色を出した。08年度は各部局の一律大幅削減をおおむね貫いて、メリハリを欠いた。今回は、歳出全体を絞りながらも重点項目を打ち出した。福祉や子育て面で体制強化や人材確保を重視。専門の琵琶湖保全など環境面や、河川や治水関連にもこだわった。RDエンジニアリング社の産業廃棄物処分場跡地(栗東市)問題では、住民の反対が強い県案実施予算を計上しなかったことも、柔軟な手法として一定評価できる。
 一方、「暗」の部分は、問題が深刻だ。財政難に金融不況が追い打ちをかけた。通常は積み戻す財政調整基金などが文字通り底をつく。このため、複数の県幹部が「10年度予算は組めないのでは」と危機感を募らせ、「いよいよがけっぷちに片足が掛かった」と話す幹部もいる。財調基金なしでは、災害など緊急時に対応できない。歳出をいくら削減しても、通常の方法では、10年度予算の編成は極めて困難と言わざるを得ない。
 県という器の中だけでの歳出カットには限界がある。財政危機に直面している今、さらに深化した行政改革が求められる。例えば、県と市町が似た事業を行う「二重行政」を見直すなど、県と市町が議論を深め、行政全体の歳出構造を再考する必要があるのではないか。これまでの嘉田知事と市町との対話では対立が目立つ。知事は真の行革に向け、行政間の連携という分野でも積極性を発揮すべきだ。【服部正法】2月10日朝刊

+Yahoo!ニュース-滋賀-毎日新聞

Posted by jun at 2009年02月11日 19:50 in 外来生物問題, 内水面行政関連

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