滋賀県は16日、湖北地域の気候に適した作物の研究を行っている県農業技術振興センター湖北分場(木之本町)を、本年度末で廃止する方針を明らかにした。分場と、湖東地域の安土町にある振興センターとで気温差がなくなり「分場を置く必要性が薄れたため」としている。地球温暖化の影響とみられ、研究者は「県の南北間で同じ気候になりつつある」と指摘する。
分場は1935年の開設。寒さや雪に強く、冷え込みの早い秋にも早い時期に収穫できる水稲や野菜、花などの品種や栽培技術を研究している。
しかし、県は、気温などの気象条件がセンターと変わらなくなり、センターの研究で十分対応できると判断。16日の県議会で廃止する方針を示した。
県によると、約30年前からの観測値で、分場とセンターで1度超あった年平均の最低気温の差が、2002年ごろから0・02−0・37度まで縮まっているという。
県琵琶湖環境科学研究センターの熊谷道夫環境情報統括員は、気象台のデータ分析で特に湖北地域で気温の上昇度が高いことを確認しており、「県北部は日本海型気候、南部は太平洋型気候だったのが近年、差がなくなってきている」という。琵琶湖の水温も1950年代から約1度上昇していることから、「温まった琵琶湖が周囲に放熱した影響も考えられる」と指摘している。