◇環境省予算で臨時運用
県の財政難で県琵琶湖環境科学研究センター(大津市)の今年度の研究予算が大幅カットされ、運用が困難になっていた水中探査ロボット「淡探(たんたん)」による琵琶湖調査が17日、1年ぶりに再開した。環境省予算を用いた臨時運用で、21日まで北湖(琵琶湖大橋以北)の湖底環境などを調査する。【服部正法】
淡探は世界的にも珍しい湖沼定期観測用の自律型ロボットで、長さ約2メートル、重さ約180キロ。同センターの前身である県琵琶湖研究所(当時)と東京大などが共同開発し、00年に建造した。水質測定やビデオカメラによる撮影などが可能。これまで淡水赤潮の原因となるプランクトンの分布を3次元画像で明らかにするなどの成果を挙げ、昨年12月には、湖底付近で水中の酸素濃度の低下が原因と疑われる魚の大量死の様子を撮影した。
しかし、県はセンターの研究予算を07年度の約2億2000万円(当初)から今年度は約9000万円(同)に大幅削減。このため淡探の稼働は凍結され、運用継続を望む声が住民からも上がっていた。
一方、同センターや東京大などの研究者が、温暖化が琵琶湖の水質や生態系に及ぼす影響を調べる影響調査(3年間)が今年度、始まった。この調査に環境省の地球環境研究総合推進費が適用されたため、今回の運用が可能になった。ただ、来年度以降も運用するかどうかは未定だ。
淡探の調査を率いてきた同センターの熊谷道夫・環境情報統括員は「再稼働まで長かった。今年も湖底付近の酸素は少なく、魚の死がいも見られる。酸素低下による影響が湖底でどの程度広がっているか調べたい」と話している。12月18日朝刊