◇提言まとめ閉幕
◇温暖化防止、自分の問題に−−知事「生活者の視点も大切」
滋賀県の提唱で84年から世界各地で開かれている世界湖沼会議の学生版とも言える「世界学生湖沼会議」は24日、大津市のピアザ淡海で、パネル討論「気候変動と湖沼環境」を開き、一般参加も含めた約230人が聴き入った。湖水の循環の鈍化やアオコ発生の増加など各国の地球温暖化の影響を報告。湖沼環境の改善のために市民や研究者、政府などが相互理解を深める場を設けることなどを訴える提言書を発表し、閉会した。【服部正法】
世界学生湖沼会議は、世界湖沼会議と同じ財団法人・国際湖沼環境委員会(ILEC)=草津市=の主催で初開催。今月21日に開会し、日本を含む主要8カ国と中国、インドの学生が参加し、事例報告と交流を行った。
最終日のパネル討論には、学生15人が登壇。独シュツットガルト大のマグダリーナ・イーダーさんは、コンスタンツ湖(独など)で湖水の循環が鈍くなっている例を挙げ、今後も鈍化が進んで水質にも影響が出る可能性を説明。カナダ・ラバル大の学生は水温上昇に伴い、高温で増殖しやすいアオコの発生が目立つことを報告し、アオコ毒の飲料水への影響も懸念した。
英リバプール大のレベッカ・モランさんは実験を踏まえ、リンや窒素などの栄養塩の湖への流入で温暖化の悪影響がさらに強まるとし、「富栄養化の対策も併せて考えるべきだ」と提言した。京都大生態学研究センターの酒井陽一郎さんは、琵琶湖の固有種イサザについて発表。気温が高いとイサザの漁獲量が減る傾向にあることを示し、将来的にイサザの生息へのリスクが増える可能性に言及した。
コーディネーターの県琵琶湖環境科学研究センターの熊谷道夫・環境情報統括員は、温暖化の湖沼への影響をまとめ、「知識や経験を継承しないと、状況は良くならない」と若い世代が関心を持つ重要性を指摘した。
討論には嘉田由紀子知事も途中参加。学生の質問に、「琵琶湖では富栄養化の問題について住民、行政一体となって運動してきた。温暖化の問題は自分の問題に、なかなか、ならない。問題を『自分化』することが大事」と回答。「科学データがないと、政策はできないが、それだけでなく生活者の視点も大事だ」などと答えた。嘉田知事はその後、環境社会学者としての研究を基にした講演も行った。11月25日朝刊