◇在来種駆逐や交雑心配
大田市朝山町竹原の雑木林で、外来種のクワガタ(体長約8センチ、雄)が見つかった。フィリピンに生息するテイオウヒラタクワガタで、地元の中2男子生徒が捕まえた。鑑定した県立三瓶自然館サヒメルによると、県内では昨年6月に出雲市内の駐車場で、東南アジアに生息するコーカサスオオカブトが確認されているが、雑木林で見つかったのは初めてという。逃げたか捨てられたとみられるが、在来種が駆逐されるなど生態系への影響が懸念されている。
クワガタを捕らえたのは、大田市富山町神原の大田二中2年、土山一心君(13)。7月下旬に樹液の出ている木の穴から採集した。サヒメルに持ち込み、調べてもらったところ、在来種より大型なこと、アゴの形が異なることから、外来種のテイオウヒラタクワガタと判明した。
このクワガタはフィリピン(ルソン島東部、カタンドゥアネス島)に分布し、最大で約10センチに成長する。大型種で安価なため、近年人気があり、ペットショップなどで多数取引されている。
農水省植物防疫課によれば、防疫有害動物に該当しないクワガタやカブトムシの輸入は年々増加し、07年には約150万匹まで拡大。大量に流入するためか、国内の野外でも多数確認されており、環境省は外来種のクワガタを要注意外来生物に指定して、捨てたり逃がしたりしないように注意を呼びかけている。
国立環境研究所・環境リスクセンター侵入生物研究チームの五箇公一主任研究員は、外来種が在来種と交雑することで日本固有の在来種がいなくなることを懸念する。同研究所で、日本のヒラタクワガタと外来種のヒラタクワガタを交雑したところ、繁殖力の強い雑種が生まれることが分かっている。「DNAで言えば人間とチンパンジーぐらい離れている」と言い、外来種の侵入による生態系の変化を危惧(きぐ)する。【岡崎英遠】 8月23日朝刊