【滋賀県】琵琶湖での漁業被害や、集団営巣地の竹生島で樹木の枯死が問題となっているカワウに頭を悩める県は「はえ縄漁」で釣り上げる捕獲実験をしている。ただ、今のところ空振り続きで成果はなく、打開策も見いだせない状態だ。
はえ縄は、1本の幹縄に多数の枝縄を付け、その先端に釣り針を付ける仕掛け。琵琶湖でのウナギ漁で、カワウがかかる事例が漁業者から報告されたことなどをきっかけに、県は捕獲効果を確かめようと乗り出した。
実験は、6月に始めた。まず高島市の安曇川と野洲市の野洲川で計4回。琵琶湖では7月18日の明け方から2隻の漁船を使い、竹生島近くの2カ所で仕掛けたのを皮切りに、8月12日までに竹生島と沖島の周辺で各3回ずつ実施した。
しかし、カワウがかかったのは、河川での2回だけ。それも1羽ずつで、琵琶湖では1羽もかかっていない。
カワウ以外の野鳥を「釣る」のを避けるため、はえ縄を仕掛けたまま放置することはできない上、県職員らが漁船に乗って監視しているため、カワウは警戒して近づかない。
それだけでも「釣れない」理由は十分だが、釣り方にも問題があるようだ。
釣りえさには、水中に潜って魚を捕るカワウ向けに、アユを使っている。ただ、琵琶湖では冷凍のアユを解凍して使用。それも当初は1カ所の仕掛けに2匹だけだった。その後は10匹程度にしたが、数は限られる。
野鳥の専門家は「カワウは死んだ魚は食べない。船が近くにいれば、近づかないのは当たり前」と、実験に疑問を投げかける。
漁具によるカワウ捕獲は、山梨県などの河川で前例があり、ある程度の効果を期待していた県水産課は、思わぬ“苦戦”に「限定された条件で難しい。琵琶湖は広いので、なかなかポイントを絞れない」と弱音も。取り組みの見直しも含め、善後策を検討しているが、妙案は見つかっていない。(近藤歩)
Posted by jun at 2008年08月15日 08:51 in 魚&水棲生物, 自然環境関連, 内水面行政関連