2008年07月05日

地球温暖化:琵琶湖の水質や生態系調査へ 研究チームが3年間/滋賀

 ◇県立大、東大など研究チーム
 ◇富栄養化/循環不全/有害藻類……
 東京大、京都大、県琵琶湖環境科学研究センターなどの研究者による研究チームが温暖化による琵琶湖の水質や生態系への影響について総合的な調査に乗り出す。環境省の地球環境研究総合推進費の事業として、今年から3年間、実施する。観測データなどを基に今後30〜50年の変化を予測するもので、温暖化の進行による悪影響を踏まえ、富栄養化対策など従来の環境政策の見直しにつながる成果も期待される。【服部正法】

 チームは東大海洋研究所▽東大生産技術研究所▽京大生態学研究センター▽県立大▽東京海洋大▽県琵琶湖環境科学研究センター――が参加し、代表者は永田俊・東大海洋研究所教授。県予算削減で今年度の運用が困難となっていた琵琶湖環境科学研の自律型潜水ロボット「淡探」も今回の研究費で数日間、運用される予定。
 琵琶湖北湖(琵琶湖大橋以北)では、冬に酸素を多く含み、冷えた表層の水が沈み込むなどして深層の酸素濃度を回復する年に1回の「全循環」の仕組みが知られるが、近年の温暖化で循環不全が懸念され、将来は循環しなくなる恐れも指摘される。深層の酸素がなくなれば、湖底付近の生物が脅かされ、湖底に堆積するリンなどの栄養塩や重金属類が湖水に溶け出し、アオコを形成する有害藻類の大発生や水質の急激な悪化をもたらすことも懸念されている。
 06〜07年の冬は記録的な暖冬で3月上旬でも循環が確認できず、研究者有志らが緊急声明を出す事態に。同月下旬に短期間、循環を確認したが、同年10月には観測史上最低水準の酸素濃度を記録。また、同年12月には低酸素の影響が指摘されるイサザなどの大量死が湖底で見つかった。
 研究者有志の一人だった永田教授は「温暖化を踏まえて生態系などがどう変わるか考えることが必要で、熱帯と寒帯の中間にある琵琶湖の研究は世界の湖沼研究の基礎になり得る」と指摘。観測データを分析し、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の予測に合わせたシミュレーションをする計画で、「湖底での低酸素化は不均一で分からない面も多く、複雑な現象を明らかにできれば」と話す。 7月4日朝刊

+Yahoo!ニュース-滋賀-毎日新聞

Posted by jun at 2008年07月05日 12:03 in 自然環境関連

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