特定外来生物に指定されているアライグマの農作物への被害や目撃情報が、新宮東牟婁地方でも年々増えており、串本町などが本格的な対策に乗り出す。各市町村で情報交換もしており「今後、被害が増えると予想される」と警戒を強めている。
紀南地方では旧田辺市を中心に十数年前から目撃情報が増え、果物や野菜などの農作物への被害が深刻化してきた。田辺市などは、農作物への有害動物ととらえるだけでなく、日本固有の生態系を脅かす特定外来生物と位置付けて計画的に駆除を進めている。
新宮東牟婁地方では数年前から目撃情報や農作物への被害が出始めた。
対策として串本町は近く、捕獲用のおりを5個購入し、被害があった場合、捕獲活動をしてもらう猟友会員に貸し出す。協力が得られるようイノシシ、サル、シカと同じように捕獲者に報奨金を支払うことも検討する。
串本町商工農林課によると、同町潮岬で目撃情報が相次いでおり、4月に入って町担当者も確認した。同課は「今後、もっと増えることが予想される。獣害駆除として対策を講じたい」と話す。
古座川町でも目撃情報が増えており、町は近く、おりをこれまでの5個から10個に増やす。
新宮市では4月中旬、数年ぶりに1匹捕獲した。民家で金魚が襲われる被害があり、おりを設置した。市農林水産課は、今後増えるのは確実とみて、計画的な対策に乗り出す。
那智勝浦町では色川で2006年に犬が死骸(しがい)をくわえて戻ってきたケースがあるほか、目撃情報もあり、本年度は実態調査をする計画。
新宮東牟婁地方では、各市町村や県、JAみくまの、猟友会などでつくる鳥獣害防止対策協議会で被害状況を情報交換している。イノシシやサル、シカに比べれば被害は少ないが、東牟婁振興局農業振興課は「これからも増えるだろう。農作物の被害を防ぐには、駆除が最適。対策を考えたい」と話している。