名古屋市内を流れる堀川で2月下旬以降、大量のボラが死んでいるのが相次いで見つかっている問題は、水量の少ない干潮時にボラが大量に遡上(そじょう)したうえ、川底のヘドロが巻き上がったことで酸欠になった可能性が高い。いったん沈んだ死魚が腐敗してガスがたまって浮き上がったケースが多く、範囲は下流の白鳥橋付近(熱田区)まで広がっている。市は回収作業は今週いっぱいかかるとみている。【樋岡徹也】
有害物質は検出されていない。しかし、水中の酸素量を示すDO(溶存酸素)は、景雲橋(2月23日)で2ミリグラム/リットルと通常の半分程度低い。2〜3以下になると、魚などの生息が困難になる。
酸欠の原因について、市公害対策課は「川底に残るヘドロが巻き上がり、一時的に酸素不足になった」とみる。市は「河川環境整備事業」として1994年からほぼ全域でヘドロ除去を行い、目標の15万6000立方メートルに対して07年度までに13万6000立方メートルと9割近くになっている。しかし、ヘドロの元となる汚濁物質は流入し続けているうえ、定期的に除去していないため依然として残っているのが現状だ。
「死臭もあるので、早めに回収しないといけない」と、市などは回収を進めているが、死魚は次から次へ浮いている。回収範囲も下流の熱田区・白鳥橋まで広がっている。市は、ボラは主に最初に死魚が発見された五条橋(中、西区)上流で大量に死に、潮の干満で広範囲に広がっているとみている。
ボラは普段、1月から2月にかけて堀川を遡上するという。毎年遡上するかどうかは不明で、死魚が浮き上がることで、遡上が確認されるという皮肉な現状だ。
堀川1000人調査隊事務局の服部宏さんは「市が以前、下水処理場で処理水の水質改善実験などを行った後、ボラが大量に遡上したことがあった。今回も木曽川からの導水実験の影響で、川がきれいになって、ボラの遡上が増えたと考えたいのだが」と話していた。 3月5日朝刊