和歌山南漁協(本所・田辺市)は漁業の担い手育成として、中古漁船の賃貸事業を始めた。県が本年度創設した補助事業を活用する。同漁協は「後継者育成と漁船リサイクルの一石二鳥になれば」と期待している。
漁業を始める際、大きな負担となるのが漁船の取得。一方で、バブル期に集中的に建造されながら、漁業者の高齢化で、活用も廃船処理もできないままの中古船が多数ある。
事業では漁協が中古船を取得・修繕する際、県と田辺市がそれぞれ3分の1以内(補助限度額30万円)を補助。漁協は就業者と賃貸契約を結び、賃貸料の支払いを受ける。
借り受けの条件は将来にわたり漁業に従事する意思を持っている50歳未満の新規就業者で、組合長の推薦がいる。巻き網漁に従事して経験を積み、休漁時に一本釣りを始めるのに船が必要という人らを対象にする。同漁協では近く、希望者と「第1号」の契約を結ぶ予定。
県水産振興課は「巻き網漁は操業日数が少なく、一本釣りも兼ねることで収入増加が図れる。空き船は今後さらに増加する見込みで、和歌山南漁協をモデルケースに対策を進めたい」と話している。
本年度、同補助事業の予算を市町で計上したのは田辺市のみ。和歌山南漁協は県の漁業の担い手育成支援事業の受け入れも行っていて「研修終了後のフォローにもなる。今後も続けてほしい」と話している。
漁船リースは長崎県でも2005年度から行っていて、初年度は1件だったが、07年度は6件の契約と数件の見込みがあるという。