2007年12月20日

オオサンショウウオにカエルツボカビ症感染初確認 兵庫・豊岡市

 兵庫県豊岡市の出石川で、水害の影響で一時保護された国の特別天然記念物・オオサンショウウオから、両生類の大量死につながるカエルツボカビ症の陽性反応が確認されたことが、国立環境研究所(茨城県つくば市)の検査でわかった。野生のオオサンショウウオでは初めての感染確認。今のところ発症しておらず、海外で大量死をもたらしている報告例とはDNAが異なるが、研究者らは「発症すれば、オオサンショウウオ絶滅につながりかねない」と、危機感を募らせている。

 出石川は平成16年秋の台風23号で大きな被害を受け、上流から流された約420匹のオオサンショウウオが発見され、市内の別の場所で一時保護された。今秋、県の護岸工事がほぼ終わったことから、テスト放流として約80匹を元の場所に放流するため、6匹のサンプルを同研究所に送りカエルツボカビ症の確認をしてもらったところ、1匹から陽性反応が出た。

 カエルツボカビ症は、1998年にパナマとオーストラリアで初めて確認され、国内では一昨年末に飼育されているカエルで初確認された。両生類が絶滅するため、その土地の生態系が破壊されるとして、世界的な啓発活動が行われている。
 県は放流による感染拡大を懸念したが、大量死が報告されたカエルツボカビ症とは違うタイプとわかり、同研究所は「現時点ではカビが生息に影響を与えない」と判断。一時保護の場所でも、これまでオオサンショウウオの大量死は見られないことから、県は11月に予定通りテスト放流を実施した。

 しかし国立環境研究所の五箇公一・侵入生物研究チームリーダーは「野生のオオサンショウウオの実態がつかめず、よくわからないというのが現状」とも話しており、県は放流後もカエルツボカビ症についても追跡調査している。

 兵庫県内のオオサンショウウオの生態を研究している元姫路市立水族館長で、日本ハンザキ研究所の栃本武良所長は「カエルツボカビ症のカエルがオオサンショウウオに接触することで、発症する可能性がある。絶対に両生類のペットを川などに捨てないようにしてほしい」と、神経をとがらせる。

 カエルツボカビ症の病理学的診断をしている麻布大学獣医学部の宇根有美准教授は「DNAが異なっていれば、ただちに発症したり感染させるようなことはないと考えているが、引き続き警戒することは必要だ」と話している。

+Yahoo!ニュース-社会-産経新聞

Posted by jun at 2007年12月20日 16:27 in 魚&水棲生物

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