◇アサザ・タヌキモなど
登米市が1年間かけ調べ刊行した「市自然環境基礎調査報告書」で、県のレッドデータブック(01年版)で絶滅危惧(きぐ)種に分類される希少動植物が同市域に数多く生息していることが分かった。植物では絶滅危惧1、2類と準絶滅危惧種合わせ83種に上る。同市はふるさとの自然の豊かさを裏付ける学術データとして「市環境基本計画」策定に生かす。
最も絶滅の危険性が高い1類の植物では、浮葉性の多年生草アサザ(ミツガシワ科)、浮遊性の食虫植物タヌキモ(タヌキモ科)、山地性のキンラン(ラン科)など。北上川水系の低地と北上山地の複合地形が多様な植生をはぐくんでいると分析している。
同市を国内の南・北限とする木や草も21種あった。また同市米山地区に樹齢100年程度とされる県内唯一のアカシデ自然林が広がっており、「不伐の森」のような保護が必要と指摘した。
動物では同1、2類と準絶滅危惧種に「絶滅の恐れのある地域個体群」を合わせ66種を記録した。1類は渡り鳥のシジュウカラガン、同2類は昆虫のオオセスジイトトンボ、準絶滅危惧種はホトケドジョウなど。
一方、豊かな生物相に忍び寄るように、環境省指定の「特定外来生物」も少なからず確認された。植物ではオオキンケイギク、アレチウリなど。動物では同市北部の用水路でタイワンシジミ(シジミ科)が繁殖。在来のマシジミと交雑すると3〜4年でマシジミを絶滅させるといわれる。【小原博人】 12月12日朝刊