【ジャイプール(インド)31日滋賀本社】南アジアでは初めての開催となる第12回世界湖沼会議で、先進国と発展途上国の南北格差が改めて浮き彫りになっている。琵琶湖で行われているような先進的な取り組みは、途上国にとって資金面の問題から実現が難しく、南北協力のあり方が会議のテーマに浮上している。
県琵琶湖環境科学研究センターの西野麻知子部門長は、長浜市と湖北町にまたがる早崎内湖干拓地の復元について報告した。1度は埋め立てた内湖を再生させ、かつての生態系を復元させようという試みは各国の注目を集めた。熱心に聞き入っていたインドの森林保全活動家メーワ・チバーさんは「琵琶湖ではさまざまな活動が行われており、たいへん素晴らしい。だが、インドやアフリカなどで同じことを実行するには資金と技術の問題がある。先進国の協力でこのようなケースが世界に広がれば」と話した。
西野部門長は「途上国の湖ではまず飲み水としての水質が問題になっている。生態系保全と水質改善を同時に進められるような指針が今後は必要だ」と指摘する。
先進国が途上国のし尿処理を支援することで水質保全とメタンガス削減を同時に進めるなど、京都議定書のメカニズムを途上国の湖沼保全に活用すべきという意見も出された。今会議でまとめる提言などに南北協力のあり方をどう盛り込むか、最終日の2日に向け議論が続いている。