◇県琵琶湖研など合同調査
県琵琶湖環境科学研究センターと京都大生態学研究センター、県立大による合同調査が28日、琵琶湖北湖(琵琶湖大橋以北)で行われ、湖底付近の水に溶けている酸素(溶存酸素)の濃度が、今夏は場所により観測史上最低レベルで推移した可能性が高いことが分かった。今年の暖冬が深層の酸素濃度に及ぼす影響が心配されるが、これをある程度裏付ける結果。最も酸素濃度が低くなる晩秋から冬にかけて、数値がどこまで下がるか懸念される。【服部正法】
北湖では気温が高くなるにつれて深層部の溶存酸素が減るが、毎年1〜2月の水温が低い時期に酸素を多く含んだ水が深層に沈み、酸素濃度を回復し、この仕組みは“琵琶湖の深呼吸”とも呼ばれる。しかし、今年は3月上旬でも酸素濃度の回復が十分でなく、研究者有志らが緊急声明を発表。県琵琶湖環境科学研究センターなどが4月下旬に第1回の合同調査を行い、深層に局所的に低酸素状態の「水塊」があることを確認した。
この日は、第2回の合同調査で、計36地点で酸素濃度などを測定。同センターの調べでは、水深80〜100メートルの湖底付近で1リットルあたり3ミリグラム台(暫定値)しかない地点が4地点あり、2・8ミリグラム(同)の地点もあった。例年のこの時期は、同程度の深さの平均濃度は「一概に言うのは難しいが、4ミリグラム程度」(熊谷道夫・研究情報統括員)という。
同センターの熊谷統括員や石川俊之研究員によると、過去には02年10月下旬に水深90メートル地点で0・9ミリグラムを計測し、これが最低水準。その前に同地点では9月中旬に3・2ミリグラム、10月上旬に2・0ミリグラムだったことから、今年の酸素濃度の減少の推移が02年と似ているという。継続的に2ミリグラムを切った状態になると、多くの生物の生存が困難になるとされる。
熊谷統括員は「早い年は11月末から12月に酸素が回復するが、今後どれだけ下がり、いつ回復するか。今年は夏も暑かったので、水が冷えるのに、どれだけ時間がかかるか心配される」と話している。 9月29日朝刊