稀少魚の保護活動に取り組む大崎市鹿島台の「シナイモツゴ郷の会」は22日、鹿島台広長の山あいのため池にシナイモツゴ約100匹を放流した。放流した池はこれで10カ所になった。以前放した池で順調に増えている例があり、当面、「絶滅」の心配は遠のいたようだ。
放流したのはふ化後1年半の幼魚で、体長3〜5センチ。飼育里親の小学生らが「いっぱい増えてね」と、小バケツに取り分けた魚をそっと放流した。
シナイモツゴはかつて鹿島台南縁にあった品井沼で1930年発見され、その名が付いたが、戦前の内に県内では「絶滅」とされた。90年代半ば、鹿島台の桂沢ため池で再発見され、行政的な保護策が取られた。
県のレッドデータブックでは「絶滅危惧1類」に、環境省のデータでは「絶滅危惧(きぐ)1B類」に分類される。4年前、「市民の手で増殖を」と発足した同会は、食害魚ブラックバスのいないため池にシナイモツゴ放流を行い生息地分散と繁殖を図った。またプラスチック製の植木鉢によく産卵することを突き止めた。
3年前、数十匹を放流した10アールほどのため池では万匹単位に増え、列をなして泳いでいると、地元農家は話す。放流先のすべてで増殖に成功したわけではないが、増殖例は他にもあり、市民の保護努力で、絶滅の不安が小さくなったと言えそうだ。【小原博人】 9月28日朝刊