国天然記念物の淡水魚アユモドキの全国で2カ所しかない生息地のひとつ、京都府亀岡市の保津川支流で9日、産卵に不可欠な水位上昇を起こすため、川を農業用のゴム製せきでせき止める作業が行われた。
アユモドキは、田に水を引く際に農業用水となる川をせき止めることで生じる急激な水位上昇によって産卵を始めると考えられている。こうした農法は現在、ほとんど姿を消しており、水位を一時的に上昇させるため地元の土地改良区が毎年1回、せきを設けている。
この日、せきを設置した後、アユモドキの保護にかかわるNPO法人のメンバーや亀岡市職員ら約20人が、下流の干上がった川底から、卵を抱えた成魚や稚魚計86匹を救い出し、上流域へ放した。
産卵は数日中に終わる見込み。同水域の生息数は2004年の約150匹から昨年は約1000匹に増えており、NPO法人とともに調査・研究に携わる岩田明久・京都大准教授(魚類学)は「地元の協力があってここまで増えた。産卵行動の詳しい生態を解明していきたい」と話していた。