2007年03月05日

防御変化が多様性生む力に 大串京大教授が発表

 植物は、昆虫などに食べられたり寄生されることで、防御のために形質を変えることが知られている。この形質の変化が、生物の多様性を生み出す大きな力となっていることがこのほど、京都大生態学研究センターの大串隆之教授(生態学)らの研究でわかった。生態系の見方や生物多様性の保全を考える上で、新しい視点になるという。

 大串教授の編著による専門書「群集生態学−植物を介する間接相互作用ネットワーク」(英ケンブリッジ大学出版局)で発表した。
 大串教授は、河原の草木が昆虫に食べられたり寄生されることで、生物の数や関係がどのように変化するかを調べた。滋賀県の河原に生えているジャヤナギは、タマバエの幼虫が寄生すると茎がふくらんで「虫こぶ」ができる。そこから新しい枝が伸びて柔らかな葉が増える結果、葉を食べるハムシや養分を吸うアブラムシが増え、アリもやってくるなど、生物の種類や数が増え、それぞれの関係も複雑になる。
 北海道のエゾノカワヤナギ、外来種のセイタカアワダチソウも同様で、植物の形質変化によって種の数や、「食う食われる」など、生物間の関係の延べ数は3−4倍に増えることを観察と実験で確かめた。さらに、関係の内容も、「食う食われる」という直接的な関係より、「新芽が出る」「すみかができる」など、植物の形質変化を介して別の生物に影響を与える間接的な関係の方が多かった。
 大串教授は「生態系は、食物連鎖の一方向の関係ではなく、植物が自らを変える働きかけによって多様性を増している。生態系やその保全を考える時、個々の生物だけではなく、相互作用ネットワークを考えることが重要だ」と話している。

+Yahoo!ニュース-京都-京都新聞

Posted by jun at 2007年03月05日 17:10 in 自然環境関連

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