関西を中心に流行しながら約60年前に絶滅した、その名も「オオサカランチュウ」を復活させようと、近畿大農学部水産学科(奈良市)の上野紘一教授(65)=水産生物学=が取り組んでいる。高級金魚「ランチュウ」の一種で、今も愛好家が品種交配で追い求め人気の金魚。「写真があれば本物の色合いが分かる。標本があればDNAの解析も可能」と、最新のバイオ技術の利用も視野に、協力者を募っている。
学術書「金魚問答」(1903年刊)のカラー表紙絵など現存するわずかの資料によると、ランチュウ(体長約15センチ)に比べると頭が小さく、肉瘤(りゅう)がない。平べったい尾びれを持ち、ひれやえらは赤く、体は白かったという。
明治時代から戦前に流行し、関東中心のランチュウと並び称された。しかし、金魚が「ぜいたく品」とされた戦時中に徐々に数が減るなどして衰退し、戦後すぐに絶滅。当時は金魚研究がまだ進んでおらず、実態は謎とされている。
復活を目指す業者や愛好者は品種改良を繰り返しているが、「資料が少なく、本物にどこまで近づいているか確かめるすべもない状態」(上野教授)。標本があればDNA解析で、どの品種から分化したかを分析できる可能性もあるという。問い合わせは上野研究室(0742・43・6343)。【曽根田和久】