中国南部の山岳地帯などに生息する外来種の鳥、ソウシチョウとガビチョウが、神奈川県湯河原町内で多数繁殖していることが、日本鳥類保護連盟同県支部の調査で分かった。1000羽以上に達しているとみられる。同じ地域に生息するメジロなど在来種の駆逐が懸念され、独特のけたたましい鳴き声で、春を告げるウグイスの声がかき消されるかも……。【高橋和夫】
ソウシチョウはチメドリ科。中国南部やベトナムなどの山岳地帯に生息し、体長約15センチ。赤いくちばしと黄ののどが特徴で、雄雌ペアの仲がよいことから和名で「相思鳥」と名付けられた。ガビチョウも同じチメドリ科。中国南部や台湾などに生息し、体長20〜25センチ。目の周りの白いくまどりから和名は「画眉鳥」。
いずれも生命力が強く、外来生物法で生態系に大きな影響を与える特定外来生物に指定され、輸入や飼育が禁じられている。米ハワイ諸島では、ガビチョウが高密度で生息し、在来種の衰退の一因となっているという。
同支部によると、県内の箱根や丹沢山系のヤブなどでは、80年代から見られるようになった。渡り鳥ではないため、ペット用に輸入、飼育されていたものが逃げ出すなどし野生化したとみられる。在来種用に置かれた餌を食べ尽くしたり、栽培されているミカンをついばむ姿が目撃されている。
特に湯河原町の奥湯河原にあるフジザクラの群生地に多くが定着。昨春は数百羽以上の繁殖が確認された。今年に入ってさらに範囲を広げ、静岡県境を流れる千歳川流域から湯河原町内の比較的平地に近い森までの分布が観察されたという。
同支部の室伏友三支部長(59)は「奥湯河原の森はソウシチョウとガビチョウの鳴き声に包まれ、在来種の姿はあまり見かけなくなった。捕獲しても追いつかないほど増えている」と指摘している。