◇専門家「早急な駆除を」と警鐘
農作物の食害など深刻化する外来生物の影響を踏まえ、府が初めて公募した目撃情報がこのほどまとまり、ヌートリアやアライグマが府内ほぼ全域で生息していることが分かった。対応策を具体的に打ち出す段階には至っていないが、府が05年度に設置した「外来生物実態調査専門委員会」座長を務める村上興正・同志社大工学研究科講師は「早急な駆除の実施を」と警鐘を鳴らす。
情報は05年施行の「特定外来生物被害防止法」で「特定外来生物」に指定され、輸入や飼育が原則禁止となった9種を中心とした全14種を対象に、6月〜11月末に募集。132カ所で11種類の生物の情報が集まった。
府内全域で満遍なく目撃されたヌートリアは44カ所と最も多く、次いでアライグマが31カ所。アメリカザリガニ(12カ所)やブルーギル(6カ所)、ブラックバス(8カ所)など広範囲での生息が予想された生物の情報は少なく、府は「既に自然に溶け込んでしまい、『異質』として意識されにくくなっているからでは」と分析する。
村上氏は「府民と協働で外来種管理をする上で、大きな一歩を踏み出した」と今回の調査を評価。その一方で、府の対応の遅れを懸念する。深泥池(北区)でコイやフナが減少し、現在は99%を外来生物が占めるとの調査結果があり、「分布調査と駆除を同時に進めなければ、生態系の破壊は止まらず手遅れになる」とした。【山田奈緒】 1月10日朝刊