2005年11月08日

ヤマモトブランド発祥の地、レイク・パウエル釣行記---その2

短期集中レポート

またまた夫婦で挑戦!
ヤマモトブランド発祥の地、レイク・パウエル釣行記
 
takagi-powell8-2.jpg“ブーさん”こと高木匡一さんの「レイク・パウエル釣行記」後編。諦めかけていたレイク・パウエルでの釣りだったが、なんとかガイドとも連絡を取ることができ、土壇場で釣行が決定。いよいよ、キャニオンに囲まれた絶景の湖、レイク・パウエルへ……。

いよいよレイク・パウエルの湖上へ!

 釣りの時間をなるべく稼ぐため、ホテルのチェックアウトの時間を午後2時にしてもらい、準備も万全。当日は朝6時にSTIXで待ち合わせでした。少し早めにSTIXにつくと、早朝なのに店内には誰かいるようです。中に入ってみると、Mike Sticklerさんがいました。私が「Mikeさんは来ていますか?」と尋ねると、「STIXのMike(つまり、自分のコト)だったら来ているよ。彼はもうそろそろ来るんじゃないかな?」と冗談を言ってみせました。そうしていると間もなく、本日ガイドをお願いしているMike Mcnabbさんが来ました。
 挨拶を交わしながら店の外に出ると、少し古いシボレーのトラックに牽引されているボートが目に入りました。操縦席が中央にある、日本では海釣りなどでよく見かける30ftぐらいのフィッシングボートです。アメリカのバスフィッシングということで、実はバスボートであることを期待していたのですが……。
 車に乗り込むと、「マリーナのあるところまで30分ぐらいかかるから」と言って、車を走らせました。
 片言の英語でコミュニケーションを取りながら走ることおよそ20分。Antelope Point Marinaという看板が出てきました。昨日、アンテロープキャニオンというところを観光しましたが、そこから10分程度のところにあるマリーナです。
 ボートを下ろし、早速Antelope Point Marinaを出発。マリーナを出て、しばらくはゆっくりとした速度でボートを進ませます。スロープ近くの桟橋には数多くの大小さまざまなハウスボートが係留されていて、「あれは数億円するハウスボートだよ」とMikeさん。夏にはこれらのハウスボートでバカンスを楽しむ人が多いそうです。

takagi-powell9-2.jpgやっとの思いでレイク・パウエルのバスとご対面。これはまずまずのスモールマウス。パウエルにはスモールマウスとラージマウスの両方が生息しています。英語での電話交渉はちょっとドキドキでしたが、頑張った甲斐がありました!
 私たちが向かったエリアはクリアウォーターで、ユタ州側となる上流部に行くと、ステインウォーターになるそうです。湖の両端には少し赤みがかかった岩が高くそびえたち、日が高くなるにしたがって、岩肌がより赤みを帯びていくように見えます。水面に近いところは減水の跡になっていて白く変色しています。下流に位置するレイク・ミードと同じくレイク・パウエルも減水傾向にあるそうで、その原因はここ数年、水源であるロッキー山脈からの流入が少なくなっているからだそうです。
 レイク・パウエルはとても大きいレイクですが、湖岸線が複雑に入り組んでおり、まるで岩盤に囲まれた迷路のようです。レイク・ミードはU.S.OPENで経験済みですが岩肌の色はミードのほうが白っぽく、一方パウエルのほうは赤茶色で、同じ水系とはいえ印象が異なることに気づきました。また、パウエルの下流域は湖岸が垂直に切り立っており、まさに“キャニオン”という雰囲気です。ちなみに、この周辺は映画“猿の惑星”(古いバージョン)のロケ地になったことでも有名だそうですが、たしかに地球っぽくない独特の雰囲気でした。
 ショアラインは一見すると垂直の岩盤しかないように見えます。しかしボートが止まり、あらためて周りを見渡すと、小さい岬や、なだらかなカケアガリになっているエリアが豊富にあり、意外にも起伏に富んでいることが分かります。
takagi-powell7-2.jpg 小さな岬からコープになっている岩盤エリアに移動し、Mikeさんが私たちに手渡したのは、スピニングのタックルにラパラのシャッドラップ7cm、(カラーはBabyBass)でした。
 小さな岬から流し始めた数投めで妻にヒットしましたが、ジャンプ一発、バレてしまいました。小さいながらもスモールマウスでした。続けてヒットさせたのはまたまた妻。小さいながらもレイクパウエルのスモールマウスをキャッチすることができました。
 次は近くにあるカケアガリに移動しました。ここにはカケアガリに絡む岬があり、魚の気配もあります。見た目にもおいしそうなスポットで、ここで私にもファーストバイトがありましたが、残念ながら30cm程度のストライパーでした。
 そのストレッチを流し終わった後、近くのワンドに入り、その奥へボートを進ませました。さらに奥までボートを進めると、急激に狭くなっており、高くそびえる岩盤と岩盤の隙間まで入り込んで行きます。まさに迷路。その最奥には枝などが引っかかっているゴミだまりがあり、Mikeさんがそこでラージマウスを1本釣ると、続けて私のシャッドラップにもバイトがありましたが、小さいラージマウスでした。
 その後は、しばらく同じような岩盤のエリアや岬などをランガンし、 私も奥さんも25cm前後のスモールマウスを数尾キャッチ。私たちは短い時間で数尾のバスを釣り上げることができ、満足していました。そもそもこのレイク・パウエルで釣りができること自体に満足していたわけですが、ガイドのMikeさんは私たちに大きい魚を釣らせてあげることができていないことに納得がいっていないようです。

ゲーリーのIKAで、まずまずのスモールマウスをキャッチ

takagi-powell6-2.jpgもともと赤茶色をした湖岸の岩肌は、朝日を浴びるとさらに赤く見えます。日本ではけっして味わうことのできない風景の中での釣りは格別でした
  その後、Mikeはルアーをシャッドラップから、IKAのジグヘッドに変更。まさにSTIXのMikeさんが言っていたとおりのベイトでした。「実は私もそれをもってきたんですよ」といい、それを見せると、「ベストチョイスだ!」と言いながら「シャローはサイズが小さいから少し深いところを狙おう」ということになりました。ロックが絡む20フィートぐらい深さのあるエリアでスローダウンした釣りを展開しました。
 ワームに手が伸びたときは、すでに10時半頃。時間を気にしながらディープにロックが絡むようなスポットを短時間で回りました。Mikeさんのその策略が的中し、私のIKAにヒットしました。今までの感覚とは違う重い引きでした。一瞬「ラージかマウスか?」と思いました が、透明な湖中になかなかのサイズのスモールマウスがファイトしている姿がすぐに確認できました。
 午後2時にはチェックアウトをしなければならなかったので、 12時にストップフィッシング。後ろ髪をひかれる思いで、レイクパウエルを後にしました。Mikeさんには、ガイド料とあわせて、日本しか売っていないルアーをいくつかプレゼントしました。
 今回は大きいサイズが出なかったですが、5月あたりから初夏にかけてがよい時期だそうで、70cmぐらいの巨大なストライパーも釣れるとのことです。「次に来たときは大きい魚を釣ってほしい」と声をかけてくれたMikeさんと別れました。

やっぱり、アメリカは楽しい!

takagi-powell5-2.jpg

takagi-powell4-2.jpg

今回、私たち夫婦のガイドをしてくれたMikeさん。とても気さくで、いろいろなことに気遣いを見せてくれるナイスガイでした

 
 最近、B.A.S.SやFLWといったアメリカのメジャートーナメントに多くの日本人が参戦していることもあり、アメリカのバスフィッシングに興味が沸いている方も多いと思います。
 異国の地でのバスフィッシングというのは敷居が高いように思えますが、決してそんなことはありません。意外にもガイドサービスが充実していて、初めて訪れるフィールドでも不安なく過ごすことができるのです。先に書いたように、インターネットでさまざまな情報を得られるようになったことも大きいと思います。もちろん多少の英語力は必要ですが、私も英語が堪能なわけではありません。なにより「アメリカでバスフィッシングを楽しみたい」という気持ちがあれば、乗り越えられるはずです。
今回、Mikeさんのボートはバスボートではなく、少し大きめのフィッシングボートでした。実はこれに少々不満を感じていたのですが、後になって考えると、ガイド用ボートとしては非常に優れていることに気づきました。ボートの安定性は高いし、デッキは広く、数人で釣ることを考えると、ゲストが釣りをしやすい環境、安全性を配慮しているわけです。見た目のカッコよさでは確かにバスボートに軍配が上がりますが、ガイド用ボートとしてはこちらが正解だったというわけですね。実際、私も妻も快適に釣りができました。
 新婚旅行などでアメリカを訪れる方は多いと思いますが、そんなチャンスをぜひバスフィッシングに生かしてほしいと思います。今回のように半日程度でも充分に大自然を満喫し、バスフィッシングも楽しむことができました。やっぱり、アメリカでのバスフィッシングはとても楽しかったです。
 みなさんも、ぜひ、時間を作ってチャレンジしてみてはいかがでしょうか?



高木さんのウェブサイト“TAKAGIYA”では、釣り以外のパートを 含めた旅行記を掲載中。観光に役立つ情報も満載なので、ぜひこちらも チェックほしい。
+「TAKAGIYA」

Posted by DODGE at 2005年11月08日 19:15 in 短期集中レポート

mark