2005年11月05日

ヤマモトブランド発祥の地、レイク・パウエル釣行記---その1

短期集中レポート

またまた夫婦で挑戦!
ヤマモトブランド発祥の地、レイク・パウエル釣行記

takagi-powell10-2.jpg 新婚旅行で訪れたフロリダ州、そしてDAIHATSU CUP準優勝で出場権を獲得したレイク・ミードでのU.S.OPEN。“ブーさん”こと高木匡一さんはウイークエンドアングラーながら、積極的にアメリカのバスフィッシングにチャレンジしている。アメリカでのバスフィッシングは敷居が高いと思われがちだが、そんな敷居を“エイヤッ”と乗り越えているウイークエンドアングラーは少なくない。高木さんは、そんなアングラーの一人だといえるだろう。今回高木さんが挑んだのは、アリゾナ州とユタ州にまたがるビッグリザーバー、レイク・パウエル。奥さんと一緒ということもあり、観光をメインとした旅行だったという。全米的に有名なフィールドであるパウエルは、高木さんの目にどう映ったのだろうか。

「グランドキャニオンまで行くなら、ペイジまで足を伸ばしてみては?」

 前回の海外旅行は、2年前のUS.OPEN参戦でした。このときの体験記はbasswaveにも掲載していただきましたが、とにかく釣りがメインでした。普段から妻とは一緒にバスフィッシングを楽しんでいますが、プラクティスを含めて4日間、さらに猛暑の中でのハードな釣りは妻には少々辛かったようです。私自身はいつかまたU.S.OPENにチャレンジしてみたいと思っていますが……。とはいえ、U.S.OPENの際にとても印象に残っていたのがラスベガスの街でした。2年前はとにかく釣りで観光どころではなかったので、「いつかゆっくり観光してみたいね」と妻とも話していたのです。 ラスベガスは、カジノ都市としてあまりにも有名で、砂漠の中の不夜城という表現に「まったくだ!」と思わず口にしてしまうほど、派手できらびやかなネオン街が印象的です。巨大なホテルがそびえ立ち、カジノだけでなくショーなどのエンターテインメントも目白押し。

takagi-powell1-2.jpgこちらは著名な観光地、モニュメントバレー。写真では見たことがありましたが、実際に行くと雄大な景観に圧倒されました
そして、少し離れた場所にはグランドキャニオンなど壮大な大自然が待ち構えているのも魅力のひとつです。人間が作り出したエンターテイメントと、長い年月をかけて作り出された壮大な大自然とのギャップを楽しめる……そんなところが世界各国からの観光客を魅了しているのでしょう。US.OPENの会場となったレイク・ミードも、ラスベガスから車で1時間ほどの場所にありながら、雄大な大自然を堪能できるフィールドでした。

takagi-powell2-2.jpg US.OPENに参戦した際は、滞在していた7泊中、プラクティスを含め4日は丸一日フィッシング。その他の日もフィッシングライセンスの購入やレジストレーション、抽選会などの準備で忙しく過ごしました。トーナメント参戦としては大変充実していましたが、ラスベガスを体験するということについては、少々物足りないと思っていたのです。
 そこで、私たち夫婦は、ラスベガスに滞在し、今回は釣りなしで、寝ずにカジノにのめり込み、さらにはグランドキャニオン、モニュメントバレーといった国立公園などをのんびりと回る旅行のプランを立てることにしました。なにしろ前回は釣りばかりだったので、今回は釣りをするつもりはなかったのです。そんなところに届いたのが、知人からのメールでした。そのメールには「グランドキャニオンまで行くなら、ペイジまで足を伸ばしてみては?」と書かれていました。早速地図を見たところ、確かにグランドキャニオンから立ち寄れる位置にあります。
 アリゾナ州のペイジ(Page)はレイクパウエルの南側の湖畔に近い小さな街で、ゲーリーヤマモトカスタムベイツの発祥の地です。約30年前にゲーリー・ヤマモトがペイジに移り住み、キャンプ場を経営しながらベイト作りをしたそうで、そのキャンプ場は今でも健在です。このレイク・パウエルを取り囲むようにして、周辺はグレンキャニオン国立レクリエーション地域(Glen Canyon National Recreation Area)に指定されています。ここにはいくつかの観光スポットが点在し、ウォーターアクティビティとあわせて夏には多くの観光客が訪れる そうです。
 その中心となるレイクパウエルは、アメリカ国内でも有名なフィールドです。B.A.S.Sのトーナメントも何度か開催されており、ラージマウスとスモールマウスと両方が生息しています。「釣りはしなくても、レイクパウエルの絶景は楽しめると思いますよ」と、そのメールには書かれていました。が、やはり、そのようなロケーションを見てしまうと釣りをやらなかったことに後悔するだろうなと思い、旅行の行程の中に2日間、ペイジに立ち寄ることを決めました。この時点で、「少しだけでも釣りをしたいんだけど……」と妻に聞いてみたところ、「いいんじゃない?」との返答。私は心の中でガッツポーズしつつ、レイク・パウエルでの釣りの情報を集めはじめたのです。

困った。ガイドが見つからない……。

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私たちを案内してくれたガイドが使用していたボート。いわゆるバスボートではなかったので、最初は少しだけガッカリしたのですが……

 私たち日本人が広大なアメリカのレイクで釣りをする場合、ガイドサービスに頼るのが一般的だと思います。かつては情報を集めるのがひと苦労でしたが、今は手軽にインターネットで検索することが可能です。yahoo.comなどで”Lake Powell”、”Fishing”、”Guide”などといったキーワードで検索をかけ、ガイドサービスを探しました。
 そのうち、2つのガイドサービスにメールを送信しましたが、返信メールがきたのは1つだけでした。しかもそのメールは、「残念ながらすでに予定が入っている」という断りのメールでした。しかし、そのメールにはMike Sticklerという人の電話番号が書かれてあり、「その人に聞けば面倒を見てくれるよ」と書かれていました。
 英語はできませんが、前もって読み上げる原稿を用意し、緊張しながら国際電話をかけると、彼は今不在とのこと。「レイクパウエルでバスフィッシングがしたいのでガイドを探しているんだ」ということを告げると、2つのガイドサービスを紹介してくれました。
 実はこの話、出発前日の話で、この2つのガイドサービスのうち1つだけ電話をしてみましたが、留守電になってしまい、結局日本にいるときにガイドのアポイントメントを取ることができないまま日本を離れることになってしまいました。「もう少し早く手配していたら……」とも思いましたが、「最悪岸釣りだけでも楽しもう」と開き直って成田を発ちました。

いよいよレイク・パウエルへ……

 フェニックスに到着し、セドナという街で一泊。2日目はモニュメントバレーなどを観光し、日の暮れた7時頃、ペイジの街
に辿り着きました。真っ先に訪れたのはSTIX(スティックス)というショップでした。STIXはアメリカの典型的な釣具屋スタンスのショップで、コンビニというより、食料品から雑貨、お酒がおいてある小さな商店といった感じです。その半分弱のスペースにルアーなどの釣具が置いてあり、その大半はゲーリーのワームです。やはり発祥の地ということを実感させられます。

takagi-powell3-2.jpgペイジの町中にあるショップ、STIX。店内にはさまざまなゲーリー・ヤマモト製品が展示されており、釣り具だけでなく、食品や日用品も扱っていました
 閉店真際の店内にはお客さんが1人、店員と思われる女性が1人いました。その女性にガイドを探しているのだけど……と訴えかけると、店の奥から数枚名刺を取り出し、私に渡してくれました。ここに電話してみなさいということですね。相手の顔が見えない電話でのコミュニケーションは不安だったので、できれば電話してもらいたいなあと少し期待していたのですが、ここまで来てそんなことも言ってられません。
 ペイジに泊まるのは、その日と翌日の2泊です。丸1日釣りに費やすことができるのは明日のみで、明後日の午後にはグランドキャニオンに移動する予定でした。できれば明日、1日釣りをしたいと思っていましたが、はたして、今日電話をして、明日の予約はできるのでしょうか……。場合によってはあきらめることになるかもしれないと思いました。
 ホテルにチェックインし、夕食を食べた後、名刺を頼りにMike Mcnabb(マイク・マクナッブ)という人に電話をかけました。このMike Mcnabbさんは、渡米前に電話番号を教えてもらったガイドの一人で、日本で彼のHPもチェックしていました。
 拙い英語でガイドのお願いをすると、どうやら明日は都合が悪いらしく、明後日だったらOKとのこと。明後日は午後からグランドキャニオンに向かう予定です。ペイジからグランドキャニオンまでの所要時間はおよそ3時間。グランドキャニオンではホテルのチェックインの時間もありますので、午後2時ぐらいにはペイジを出発しなくてはなりません。釣りができても昼過ぎまでですが、再度、他のガイドに電話して予約ができるかといえばそれはわからない。少し迷いましたが、明後日の午前中だけということで、ガイドをお願いし、電話を切りました。 釣りをせずにここを発つより、はるかにマシでしょう。

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レイク・パウエルに限らず、アメリカのパブリックレイクで釣りをするにはフィッシングライセングは必携です。ライセンスを買わずに捕まると罰金刑になるのでご注意……

 その翌日は、ペイジから程近いアンテロープキャニオンなどの観光地を回り、街をブラブラしました。ひとつ、明日のフィッシングのためにやらなくてはいけないこと、それはフィッシングライセンスの購入です。ライセンスを購入するために再びSTIXに立ち寄りました。店内に入ると、少し体格が良い店員がいました。その人のシャツの胸には“Mike Stickler”と書かれていました。どうやら、渡米前に紹介を受けたMike Stickler さんという人物はSTIXの店の人だったようです。Mike Sticklerさんにフィッシングライセンスが欲しいと尋ねると、アリゾナ州は$12.50、ユタ州は$12.00だと言われました。 レイク・パウエルはアリゾナ州とユタ州の州境にあるため、スポットによっては両州のフィッシングライセンスが必要となります。念のため両方のライセンスをお願いしました。名前、住所などを書き込んだ後、可愛らしい小さなポーチ型の封筒に2つの州のフィッシングライセンスを折りたたんで入れてくれました。
takagi-powell12-2.jpg せっかくなので、Mike Sticklerさんのお勧めのルアーを聞いたところ、ゲーリーヤマモト6インチスレンダーグラブを勧められました。「たぶん、Mcnabbはこれが好きだから、明日持っていくと彼は驚くと思うよ!」と教えてくれたのは、ゲーリー4インチのIKAでした。私は明日に備え、そのIKAを2パック購入し、STIXを後にしました。

その2へ続く……

高木匡一さんのウェブサイト「TAKAGIYA」は、ココから

Posted by DODGE at 2005年11月05日 18:13 in 短期集中レポート

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