Part 1
Part 2
Part 3
Part 4
Part 5
Part 6
パート3:ウォルト・ディズニー・ワールド2004

 最近、私はウービー・ローゼルという旧友と釣りをする機会に恵まれた。ウービーはフィッシングガイドをしているアングラーなのだが、彼は少々特種な場所でガイドを行なっている。彼の仕事場はウォルト・ディズニー・ワールド(WDW)の敷地内にあるベイ・レイク&セブン・シーズ・ラグーンで、すでにここで15年間にわたってフィッシング・ガイドを務めているのだ。
 WDWは、カリフォルニア州にあるディズニー・ランドに続いてオープンした、ディズニー第二のテーマパークだ。1971年にマジック・キングダムというパークがオープンして以来、現在では4つのパークが存在する広大なリゾートエリアとなっている。
 フロリダのWDWが他のディズニーリゾートと異なるのは約122平方キロメートル(basswave注:東京の山手線一周のほぼ1.5倍、大阪城公園の約115倍、静岡県伊東市とほぼ同じ面積)という広大な敷地だ。テーマパークだけで4つ、このほかに水着で遊べるウォーターパークが2つ、ゴルフやテニス、乗馬などが楽しめるうえに直営ホテルが20以上あるのだから、アメリカ広しといえどもこれ以上の規模をもつリゾート地はほかにない。ラスベガスのような街に匹敵するといっても過言ではないだろう。そして、WDWの敷地には森林や湖など手つかずの自然も多く残されている。ここではそんな自然の湖を利用したフィッシングが楽しめるというわけだ。
 WDW内では岸釣りのみの場所を含めて、6ケ所のエリアでフィッシングを楽しむことができる。ただし、もっとも人気が高く、釣果も期待できるのがベイ・レイクでのガイドフィッシングだ。日本のBasser誌でも何度か紹介しており、ウービーもこれまでに数多くの日本人をガイドしているという。もっとも多いのは、新婚旅行でWDWに来たついでに……というパターンらしい。

 
 そんなワケで、久しぶりにウービーにガイドをお願いしてディズニーバスを釣ることにした。私は今までに何度もウービーとこのレイクで釣ってきたが、そのポテンシャルは衰えることは知らず、来るたびに楽しさが増してるようにさえ思う。釣りをするだけでも楽しいのに、釣果も最高だし、ディズニーワールドの絶景も他では味わえない感動がある。たとえば、スポーニングベッドを捜そうと砂底のエリアを捜したら、そこは四つ星ホテルの目前に広がるビーチだったり、シンデレラ城を横目にスクールバスをねらったりといった面白さはここでしか経験できない。WDWのプライベートエリアなので、ここで釣りをするにはガイドを雇うしかないのだが、そのぶんプレッシャーは非常に低い。アングラーの天国そのものなのだ。

 私たちはベイ・レイクで釣りはじめたのだが、すぐに水路で繋がったセブン・シーズ・ラグーンに移動した。日が上がると湖畔のホテルとパークを往復する大型船が行き来するので、私たちは“ベストスポット”を大型ボートに邪魔される前にチェックすることにしたのだ。その後、ジェットスキーやレンタルボートで遊ぶ人たちも増えてきて湖上が渋滞気味になったころ、ラグーンより広いベイ・レイクに戻った。
 私たちがメインに使用したのは、ラッキークラフトやスミス、ジップベイツなど日本製のクランクベイト、そしてゲーリーのヤマセンコーだったが、どれにもすこぶる反応がよい。結局4時間釣りをして、25尾をキャッチした。バレた魚も含めれば、スゴい数になってしまうだろう。少なくとも、パブリックレイクでは考えられない結果である。昔だったら1日中釣りもできたのだが、最近は丸一日釣りをするのもツラくなってきた(苦笑)。

 そこで「ウービー、私はもう充分堪能したけど、もうそろそろいいんじゃない?」と話しかけた。すると「じゃぁ、最後に見せたいものがあるらら」とレイクの真ん中に連れていかれた。
 ウービーは小さいジグにワームをセットすると、スペックルド・パーチ(クラッピー)を次々に釣り上げていった。彼は私がスペック釣りが好きなことを覚えていたようだ。ウズウズしてきた私は彼のジグを借りてキャストしてみたが、バイトすらなかった。ウービーは、なにか魔法を唱えてスペックを呼び寄せていたに間違いない(笑)。「次回来るときはスペックだけをねらって釣るのもいいな」とも思ったが、私がバスタックルを家に置いてこられるはずがない。それにしても、ベイ・レイクにスペックがいたとは……。今まで数えられないほどここで釣りをしていたにもかかわらず、まったく知らなかった。ここは自然湖なので当然といえば当然なのだが……どんなフィールドにも新しい発見や驚きがあるのだと思い知らされた1日だった。
 
 

 ガイドはポンツーンボートで行なわれて、1回が2時間のセットになっている。1日4セット(計8時間)しかガイドがされていないが、私のように2セット分(4時間)ガイドしてもらうということも可能だ。ガイド料金には冷たい飲み物が無料でついてくるし、タックルやルアーも無料で借りられるし、もちろん、マイタックルの持参もできる。日本ではあまりポピュラーではないと思うが、お望みであればシャイナーを使ったライブベイトでの釣りも可能だ。詳しくは407-939-7529(WDWの直通電話。英語のみの対応)に連絡してほしい。

●ウォルト・ディズニー・ワールドに関しては、アメリカのディズニー公式サイト(http://disney.go.com/)、日本のディズニー公式サイト(http://www.disney.co.jp/)で情報が入手できる。

| www.basswave.jp |